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汎用フライス盤の精度の点検
水平出し, 主軸の振れ, ボールバーなど。規格と測り方。周期, 油種, 締付けトルク, 許容値は, 手元の機械の取扱説明書が最優先。ここにある値は公開資料に載っていた例 (海外の小形タレット形フライス盤の取扱説明書や, 国内メーカー 1 社の検査成績表など)で, 機種によって違う。ギブ, 主軸頭の調整は, 主軸と送りを止め, 電源を切ってから行う
⌖How to inspect
- 精度を測る前に, 運転状態と温度をそろえる立て
ToolsThermometer
Procedureエツキの検査成績表は, 主軸を 530 min⁻¹ で 60 分運転してから測り, 主軸受の上部, 下部の温度と室温を記録する。検査の順序は, 主軸中心線とテーブル上面の直角度 (10 項)→ テーブル上面とひざ運動の直角度 (9 項)→ その他の項
Tolerances—
JIS B 6203 は精度の検査だけを扱い, 振動, 異常音, スティックスリップなどの運転試験は精度検査の前にふつう行うものとしている
- 主軸の振れ, 主軸端面の振れ, 主軸穴の振れ立て
Toolsテストインジケータ, テストバー
Procedure主軸の外面に当てて回し, 読みの最大差。端面は外周近くに当てて回し, 反対側でも測って大きいほう。主軸穴はテストバーをはめ, 口元と先端 (300 mm の位置)で回しながら読む (エツキ)
Tolerances主軸の振れ 0.01 mm, 端面の振れ 0.01 mm, 主軸穴の振れ: 口元 0.01 mm, 300 mm の位置 0.02 mm (エツキの検査成績表)
[3](1 source, for reference)
- テーブルの運動とテーブル上面, 中央 T 溝との平行度, 直角度立て
Toolsテストインジケータ, 直角定盤
Procedure定置したインジケータをテーブル上面に当ててテーブルを動かす (上面との平行度)。直角定盤の突起を基準 T 溝の側面に当て, インジケータを直角定盤の垂直面に当てて動かす (T 溝との平行度, 直角度) (エツキ)
Tolerances左右運動と上面: 全移動で 0.03 mm。前後運動と上面: 0.02 mm/300 mm。左右運動と中央 T 溝の側面: 全移動で 0.03 mm。前後運動と中央 T 溝の側面の直角度: 0.02 mm/300 mm (エツキの検査成績表)
[3](1 source, for reference)
- テーブル上面とひざの上下運動との直角度立て
Tools直角定規, テストインジケータ
Procedureテーブルに直角定規を立て, 主軸頭 (または主軸スリーブ)に付けたインジケータを当て, ひざを上下させて読みの差をとる (エツキ)
Tolerances左右, 前後とも 300 mm について 0.02 mm。前後方向はテーブルの前端が低くてはいけない (エツキの検査成績表)
Baileigh も, テーブルはふつう前側がわずかに (約 0.0005 インチ=約 0.013 mm)高く仕上げてあるとしている
- 工具, 取付具の振れと, バイスの傾きを打ち消す立て
Toolsテストインジケータ, 高精度の六面体, 薄い紙 (数 µm)
Procedure主軸, クイックチェンジホルダ, ミーリングチャック, 工具はそれぞれ振れをもつので, ホルダとチャックの組合せの向き (0°, 180°)で振れが打ち消し合う向きを決めておく。主軸とテーブルが傾いているときは, バイスに固定した六面体の上面を主軸に付けたインジケータで振り回して測り, バイスとテーブルの間に薄い紙をはさんで振れを 0 にする (厚労省のマニュアル。紙はコンデンサ用の薄紙の例)
Tolerances—
[3](1 source, for reference)
- テーブル上面の真直度 (水平)Common
ToolsPrecision level
Procedureテーブルを X, Y の動きの中央に置き, 左右方向, 前後方向に精密水準器を置いて, 少なくとも中央と両端の 3 か所の読みの最大差をとる (エツキ)。Baileigh は据付けのとき機械用の水準器で前後, 左右とも水平にし, 4 隅で均等に支えるよう求めている
Tolerances左右, 前後とも 0.06 mm/m (エツキの検査成績表)
- テーブル上面と主軸中心線との直角度 (トラム)Common
Toolsトラミング用の腕とテストインジケータ (またはダイヤルゲージ)
Procedureテーブルを X, Y の動きの中央に置き, 主軸に付けたインジケータをテーブル上面に当てて振り回し, 読みの差をとる (エツキ)。調整のしかたは主軸, アーバ, 送りの手入れのトラミングの手順。主軸頭を締め付けたあとにもう一度測る
Tolerances振り回し直径 300 mm について 0.02 mm, テーブルの前端が低くてはいけない (エツキの検査成績表)。ワシントン州の教材は差が 0.001 インチ (約 0.025 mm)を超えたら調整, Tormach (主軸頭が固定の小形機)は 6 インチ (約 150 mm)以上の円で 0.0005 インチ (約 0.013 mm)未満まで追い込む
インジケータは治具やプレートではなく, テーブルそのものに当てる (Tormach)
- 案内面のガタ (ギブのすき間, 送りのロストモーション)Common
Toolsテストインジケータ (1 目盛 2 µm など), ダイヤルインジケータ
Procedureテーブル, サドルを手で強く振ったときの振れ, ひざを上下させたときの振れを読む (エツキ)。決まった量を送って戻したときの読みの残りを測る (Tormach。無負荷で)
Tolerancesエツキの目安はテーブル総合 10 µm 以内, ひざの上下ギャップ 5 µm 以内 (主軸, アーバ, 送りの手入れの表)
加工した部品の寸法は工具, 工作物のたわみや熱でも変わるので, 機械の精度の指標にはならない (Tormach)
≡Related standards
- 立てJIS B 6203-2:2007 ひざ形フライス盤―精度検査―第2部: 垂直主軸をもつ機械 / ISO 1701-2:2004 (修正採用=MOD)。2026-06-22 に確認普通精度の汎用ひざ形立てフライス盤の静的精度と工作精度の検査方法, 許容値を決めている。精度検査の前にふつう行う運転試験 (振動, 異常音, スティックスリップ)や特性試験 (回転速度, 送り速度)は扱わない (JIS のプレビュー)。旧 JIS B 6204:1998 を置き換えた。厚労省のマニュアルも, 立てフライス盤の精度の確かめ方としてこの規格を挙げている[1][2][3]
- 横JIS B 6203-1:2007 ひざ形フライス盤―精度検査―第1部: 水平主軸をもつ機械 / ISO 1701-1:2004 (MOD)。2026-06-22 に確認普通精度の汎用ひざ形横フライス盤が対象。目次には運動の軸, テーブル, 主軸に加えて「アーバ支え」の検査がある (JIS のプレビュー)。旧 JIS B 6203:1998 を置き換えた[4][5](1 source, for reference)
- CommonJIS B 6191:1999 工作機械―静的精度試験方法及び工作精度試験方法通則 / ISO 230-1:1996 (MOD)JIS B 6203 の引用規格。測定のしかたの共通ルールはこちらに書かれている (題名と対応だけを JIS B 6203-2 のプレビューで確かめた)[2](1 source, for reference)
- CommonJIS B 6101:2004 7/24 テーパの主軸端及びシャンク / ISO 297:1988 (一致=IDT)手で工具を替える 7/24 テーパ (いわゆる NT テーパ)の主軸端とシャンクの規格。R8 は JIS の規格ではない[6](1 source, for reference)
- 横JIS B 6104:1998 フライス盤用アーバ及びその附属品―形状, 寸法 / ISO 839-1:1976, ISO 839-2:1977 (MOD)原案作成団体は日本工作機器工業会[7](1 source, for reference)
The standard texts are paid, so tolerances are written from sources such as in-house standards published by machine manufacturers. For the correspondence between standards, see the standards correspondence table as well.
📚Sources
Items without a mark are those on which two or more materials from different publishers agree. Values and intervals are governed by each machine's specifications. The text is summarized in Kezuriba's own words.
- 日本規格協会 (JSA)「JIS B 6203-2:2007 ひざ形フライス盤―精度検査―第2部: 垂直主軸をもつ機械 書誌」
- 日本規格協会 (JSA)「JIS B 6203-2:2007 プレビュー (目次, まえがき, 適用範囲, 引用規格)」
- 厚生労働省「技能競技大会を活用した人材育成の取組マニュアル フライス盤職種編 (巻末参考資料2: 株式会社エツキ提供のギブ調整手順, 静的精度検査方法, 検査成績表を含む)」
- 日本規格協会 (JSA)「JIS B 6203-1:2007 ひざ形フライス盤―精度検査―第1部: 水平主軸をもつ機械 書誌」
- 日本規格協会 (JSA)「JIS B 6203-1:2007 プレビュー (目次, まえがき, 適用範囲)」
- 日本規格協会 (JSA)「JIS B 6101:2004 7/24テーパの主軸端及びシャンク 書誌」
- 日本規格協会 (JSA)「JIS B 6104:1998 フライス盤用アーバ及びその附属品―形状, 寸法 書誌」
- Baileigh Industrial (JPW Industries)「Operator's Manual VM-1054-3 Vertical Milling Machine (Rev. 3/2013)」
- ワシントン州コミュニティ, テクニカルカレッジ委員会 (WA Open ProfTech, Wenatchee Valley College 制作)「Introduction to Machining 9.5 Work Setup (主軸頭のトラミング, バイスの直角出し。CC BY 4.0, LibreTexts 掲載)」
- カリフォルニア大学リバーサイド校 機械工学科「Machine Shop Standard Operating Procedures for Manual Milling Machines (V5, 2011-11-15)」
- Tormach「770M Knowledge Base: Spindle Tram Adjustment」
- Tormach「PCNC 440 Knowledge Base: Lost Motion Testing and Gib/ACB Adjustment」