ツールホルダの種類と選び方
工具をつかむホルダの種類ごとに、しくみ・長所と短所・向いている加工と、メーカーが公表している振れ精度をまとめました。
コレットチャック(ER など)Collet chuck
しくみ ナットを締めるとコレットがテーパ穴に押し込まれ、すり割りが縮んでシャンクをつかむ(模式図)- 規格
- ISO 15488:2003 / DIN ISO 15488:2006-01(8° コレット=ER。旧 DIN 6499 の後継)
- DIN 6388 → DIN ISO 10897(1:10 テーパのコレット)
[1][2][3]- しくみ
- すり割りの入ったテーパ形コレットを、ナットでホルダ側のテーパ穴に押し込む。コレットが縮んで工具シャンクを締める。ER は ISO 15488 の「設定角 8°」のコレット。
- 用途
- ドリル・リーマ、小〜中径エンドミルの仕上げ、タップ(専用コレット使用時)
- 振れ精度
- 三菱マテリアル(テーパコレットチャック(一般論)):0〜0.02 mm 先端 4D[4]
- BIG DAISHOWA(CNC コレットチャック全般):0.003 mm 未満(保証) 4×D(コレット先端からの表記)[5]
- BIG DAISHOWA(MEGA NEW BABY CHUCK(NEW BABY COLLET, AA グレード)):0.00004"(約 1 µm)/0.00012"(約 3 µm) コレット先端/4×D。コレットは全数 2 回検査[6]
- BIG DAISHOWA(MEGA ER GRIP):製品ページに数値なし。一覧ページの発表文に「3 µm(0.00012")at 5xD」 コレットは 0° と 180° で 4D を 2 回検査(製品ページ)[7]
- NIKKEN(スリムチャック(SK コレット)):5 µm(標準コレット)/3 µm(精密 A タイプコレット) 4×D(保証)[8]
- NIKKEN(スリムチャック P クラスコレット(ドリル用)):3 µm 以内 チャック先端から 4D[9]
- REGO-FIX(ER コレット(標準)/ER-UP):TIR 10 µm(0.0004")/TIR 5 µm(0.0002") 3×D[10]
- REGO-FIX(ER ホルダ本体):TIR 3 µm(0.0001") 条件の記載なし[10]
- 聖和精機(ミクロンチャック):先端 1 µm/3D 点 2 µm(検索要約のみ。公式ページは未確認) 3D 点検索要約のみ。公式ページ本体で未確認のため出典なし
- 長所
- 1 本のホルダでコレットを替えれば多くの径をつかめる
- ドリル・リーマ・タップ・エンドミルまで用途が広い
- 高精度品なら振れが数 µm
- 短所
- 把握力と剛性は、ミーリングチャック・焼きばめ・油圧より低い(三菱マテリアル・Kennametal)
- ナットの締めすぎや締め不足、ゴミの噛み込みで振れが悪くなる
- 締め付け
- 三菱マテリアル(テーパコレットチャック(一般論)):把握力 ø6 で約 29 N·m、ø16 で約 69 N·m(原文は gripping force に Nm の単位。README 参照)[4]
- NIKKEN(スリムチャック):把握範囲 ø0.7〜25.4 mm。ER より低い締付トルクで 2 倍の把握力(メーカー比較)[8]
- BIG DAISHOWA(MEGA ER GRIP):ER 標準の Form B コレットを使用(範囲の数値はページになし)[11]
- REGO-FIX(ER コレット):ER 8〜ER 50、ø0.0079"〜1.375"[10]
三菱マテリアルは、別系統としてモールステーパホルダ(振れ 0〜0.025 mm/先端 150 mm)も挙げている。
ミーリングチャック(ローラーロック)Milling chuck (roller-lock)
しくみ ナットを回すと斜めに並んだニードルローラが厚肉スリーブを外から押し、スリーブ全体が縮んでつかむ(模式図)- 規格
- —公開資料で確認できずミーリングチャック専用の規格は見つからず
- しくみ
- 厚肉スリーブの外周に、斜めに並べたニードルローラを介してナットを回す。スリーブ全体が弾性変形して縮み、工具シャンク(またはストレートコレット)を締める。
- 用途
- エンドミルの荒加工・重切削、大径エンドミル
- 振れ精度
- 三菱マテリアル(ミーリングチャック(一般論)):0.005〜0.02 mm 先端から 100 mm[4]
- NIKKEN(MULTI-LOCK ミーリングチャック(C32 形)):5 µm 以内(T.I.R.) 先端から 100 mm[12]
- NIKKEN(ZERO FIT TYPE ミーリングチャック CZF20/25/32):最大 0.050/0.050/0.030 mm(調整前の値と読める。PDF のテキスト化から読んだため要目視確認) 100 mm 位置[12]
- BIG DAISHOWA(NEW HI-POWER MILLING CHUCK/MEGA DOUBLE POWER CHUCK):— 製品ページは「Stable Runout Accuracy」とだけ書き、数値なし[13]
- 長所
- 把握トルクと剛性が高く重切削向き
- スリットで切削油を逃がせる設計では、油が付いても把握トルクが下がりにくい(NIKKEN の試験データ)
- 短所
- 外径が太く、干渉しやすい、振れはコレット・焼きばめ・油圧より大きめ(三菱マテリアルの目安)
- 締め付け
- NIKKEN(MULTI-LOCK(C42、スリットあり)):把握トルク 5,000 N·m(脱脂)/4,800 N·m(薄く油あり)。スリットなし他社品は 3,500/1,250 N·m(メーカーの比較試験)[12]
- 三菱マテリアル(ミーリングチャック(一般論)):Gripping force は 25 Nm と記載(単位の解釈に注意。README 参照)[4]
BIG の HMC(NEW HI-POWER MILLING CHUCK)は機械式のミーリングチャック(油圧ではない)。本体に細いスリットを入れ、締付部を均一に変形させる構造(bd-hmc)。
焼きばめホルダShrink fit chuck
しくみ 把握穴はシャンクよりわずかに小さい。加熱して穴を広げて工具を入れ、冷えると締まりばめになる(模式図)- 規格
- DIN 69882-8(HSK 用ホルダ・Form G 焼きばめチャックの寸法。2005-06 版は 2023-05 版に置き換え)
[14][15]- しくみ
- ホルダの把握穴は工具シャンクよりわずかに小さく作られている。加熱して穴を広げ、工具を入れて冷やすと、締まりばめで固定される。鋼ホルダと超硬シャンクの熱膨張差を利用する。
- 用途
- 金型の小径エンドミルによる深彫り、高速加工、仕上げ。Power/Heavy Duty 系は荒加工にも
- 振れ精度
- 三菱マテリアル(焼きばめホルダ(一般論)):— 表は「-」(数値なし)。説明文は「高い振れ精度」[4]
- HAIMER(Shrink Fit Chuck Standard Version):< 0.003 mm 測定位置の記載なし[15]
- HAIMER(Power Shrink Chuck):< 0.003 mm 測定位置の記載なし。荒加工でもこの値と説明[16]
- MSTコーポレーション(焼ばめホルダ スリムライン):3 µm 以下 測定位置の記載なし[17]
- Kennametal(Shrink Fit Toolholders GP):3 µm 以下(検索要約のみ。製品ページ本体に数値の表示なし) 3×D(検索要約)検索要約のみ。公式ページ本体で未確認のため出典なし
- 長所
- 振れが小さい(3 µm 以下の公表値が多い)
- 部品がなく細い形状にできる(4.5° の外形)。突出しを短くでき、深彫りや立壁に強い
- 把握力はコレットより高い(三菱マテリアル)
- 短所
- 着脱に加熱装置(誘導加熱など)が要る
- シャンク公差(h6 など)に左右される
- 過熱を繰り返すとホルダ材が劣化する(MST の注意喚起)
- 締め付け
- MSTコーポレーション(スリムライン):焼ばめ専用特殊鋼(他社比 1.6 倍の熱膨張率)で 300℃(最大 430℃)の低温焼ばめ。先端最小肉厚 1.5 mm[18]
- HAIMER(Power Shrink Chuck):Safe-Lock は ø6 mm 以上で装着可。Cool Flash は ø6〜25 mm[16]
HAIMER Standard は「DIN 69893-1、DIN 69882-8 に近い仕様」でテーパ角 4.5°。SCHUNK TENDO Slim 4ax は油圧式だが、外形が DIN 69882-8 の焼きばめ形状。
油圧チャック(ハイドロチャック)Hydraulic expansion chuck
しくみ 締付ねじで油圧を上げると、薄い内壁が内側へ均一にふくらんでシャンク全周を押す(模式図)- 規格
- DIN 69882-7(HSK 用ホルダ・Form F 膨張チャックの寸法。2002-04 版は 2005-06 版に置き換え)
[19][20]- しくみ
- ホルダ内部の密閉室に油を封入してある。締付ねじを回すと油圧が上がり、薄い内壁(膨張スリーブ)が内側へ均一にふくらんで、シャンク全周を締める。
- 用途
- リーマ・仕上げ加工、ドリル、高速ミーリング(高トルク型は荒加工も)
- 振れ精度
- 三菱マテリアル(油圧チャック(一般論)):0.005〜0.015 mm 先端から 100 mm[4]
- SCHUNK(TENDO E compact(HSK-A63 Ø12/Ø20、SK50 Ø32)):≤ 0.003 mm 2.5×D[21]
- Sandvik Coromant(CoroChuck 930):< 4 µm(157 µinch) 2.5×DC[22]
- Kennametal(HydroForce(Ø20・Ø32)/Ø50):3 µm 以下/6 µm 2.5×D 突出し[23]
- Kennametal(油圧チャック一般):通常 3 µm 以内 記載なし[24]
- 長所
- 振れが小さく、六角レンチ 1 本で着脱できる、油の層が振動を吸収する、把握が全周均一
- 短所
- 内壁が薄くデリケート。作動油の温度変化・漏れで寿命が縮む(三菱マテリアル)
- 工具を入れずに締めない、などの取扱い制限(Kennametal)
- 最良の精度には h6 の丸シャンクが必要。フラット付きシャンクにはリデューサスリーブ推奨(Kennametal)
- 締め付け
- SCHUNK(TENDO EC HSK-A63 Ø12x80):最小伝達トルク 110 N·m[21]
- SCHUNK(TENDO EC HSK-A63 Ø20x80):最小伝達トルク 520 N·m[25]
- SCHUNK(TENDO EC SK50 Ø32x81):最小伝達トルク 900 N·m[26]
- Sandvik Coromant(CoroChuck 930):穴径 6/8/10/12/20/25/32 mm、1・1¼ inch。薄いろう付けメンブレンが左右 2 点ずつで把握する「fulcrum technology」[22]
- Kennametal(HydroForce):把握穴 20/32/50 mm。前壁が 40% 厚い[23]
TENDO Platinum/Silver は外形が DIN 69882-7 準拠。バランスは G2.5/25,000 min⁻¹(SCHUNK)。
サイドロックホルダ(ウェルドン)Side lock (Weldon) holder
しくみ シャンクの平取り部を側面のねじで押さえる。回転は平面とねじの当たりで伝える(模式図)- 規格
- DIN 6359-1/-2(7/24 テーパシャンク付き。側面駆動面と傾斜締付面をもつ円筒シャンク用のスリーブ)
- シャンク側:DIN 1835-1(フライス用円筒シャンク)、DIN 6535(硬質材料の円筒シャンク)
[27][28][29][30]資料1件・参考DIN Media の題名ページで確認。サイドロックとの対応は題名からの読み取り- しくみ
- シャンクの平取り部(Weldon フラット)を側面のねじで押さえて固定する。回転は平面とねじの当たりで伝える。
- 用途
- 荒加工・重切削、ドリル(スローアウェイドリルなど)
- 振れ精度
- 三菱マテリアル(サイドロックホルダ(一般論)):0.02〜0.04 mm 「End of 10」とあり測定位置は不明確[4]
- HAIMER(Weldon 方式(比較説明)):最大 0.05 mm 記載なし[31]
- 長所
- 構造が簡単で安価、滑り・抜けが起きにくく重切削に使える
- 短所
- 横から押すため工具が片寄り、振れが大きい(三菱マテリアル 0.02〜0.04 mm、HAIMER は最大 0.05 mm と記載)
- 平取りのあるシャンクが必要
DIN 1835 の Form B(Weldon)・Form E、DIN 6535 の HB・HE という形状記号の対応は未確認。三菱マテリアルは「締めボルトの向きや内径の偏心加工で振れを改善した製品もある」と記載。
シェルミルアーバ(フェイスミルアーバ)Shell mill / face mill arbor
しくみ カッタの穴をアーバの心出し部に入れ、キーで回転を伝え、センターボルトで端面に引き付ける(模式図)- 規格
- DIN 6357(内側で心出しする正面フライス用、7/24 テーパシャンクのアーバ)
- DIN 6358(縦溝・横溝付きフライス用の差し込みアーバ、7/24 テーパシャンク)
[32][33]資料1件・参考- しくみ
- 正面フライスやシェルエンドミルの穴を、アーバの心出し部に差して位置を決める。キー(縦溝または横溝)で回転を伝え、センターボルトで端面に引き付けて固定する。
- 用途
- 正面フライス加工、シェルエンドミルによる肩削り
- 振れ精度
- 公開資料で確認できず振れの公表値はメーカー公式ページで見つからず
- 長所
- 大径の正面フライスを高い剛性で保持できる
- 短所
- カッタの取付け規格(穴径・キー溝)に合わせたアーバが要る
BIG の Shell Mill Holder ページは BIG-PLUS(二面拘束)による剛性向上を説明するだけで数値なし。
シンクロタップホルダSynchro (rigid) tapping holder
- 規格
- —公開資料で確認できず規格は見つからず
- しくみ
- 同期タップ(リジッドタップ)で、主軸回転と送りの同期誤差によるピッチのずれを、内部のごく小さな軸方向の逃げで吸収する。タップにかかるスラスト荷重を減らす。
- 用途
- マシニングセンタの同期タップ
- 振れ精度
- 公開資料で確認できず
- 長所
- ねじ品質とタップ寿命の向上
- 短所
- 同期タップができる機械が前提
- 性能
- BIG DAISHOWA(MEGA SYNCHRO Tapping Holder):同期誤差によるスラスト荷重を最大 90% 低減(メーカー主張)[34]
フロートタップホルダ(タッパー)Floating (tension/compression) tap holder
- 規格
- —公開資料で確認できず規格は見つからず
- しくみ
- 引張と圧縮の両方向に大きく伸縮する機構をもち、送りとタップピッチの不一致を吸収する。同期タップができない機械でも使える。
- 用途
- ボール盤・汎用機でのタップ、同期機能のない NC 機
- 振れ精度
- 公開資料で確認できず
- 長所
- 非同期の機械でもタップ加工ができる
- 短所
- フロート量の限界を超えると不具合が出る(NIKKEN は限界を示すマークを付けている)、全長が長くなりやすい
- フロート
- NIKKEN(NZ32-12-105 ストレートシャンク TAPPER CHUCK):圧縮 5/引張 15(PDF のテキスト化からの読み取り。単位 mm と思われる。要目視確認)[12]
- NIKKEN(NZ32-16-125):圧縮 8/引張 20(同上)[12]
表は PDF をテキスト化して読んだもの。列の対応は掲載前に PDF の該当ページで目視確認が必要。
ボーリングヘッド(荒)Rough boring head
- 規格
- —公開資料で確認できず
- しくみ
- 2 枚刃(ツインカッタ)で切削力をつり合わせ、大きな取り代を高送りで削る。
- 用途
- 鋳物下穴の荒・中仕上げ
- 振れ精度
- 公開資料で確認できず
- 長所
- 単刃仕上げヘッドの最大 4 倍の能率(BIG の主張)
- 短所
- 仕上げ寸法精度は精ボーリングに及ばない
BIG KAISER の TW シリーズは廃番。後継は SW シリーズ(bd-twn)。
ボーリングヘッド(精)Fine boring head
- 規格
- —公開資料で確認できず
- しくみ
- 単刃。マイクロメータねじで刃先を半径方向に微調整し、穴径を µm 単位で合わせる。
- 用途
- 高精度穴の仕上げ(嵌合穴・軸受穴)
- 振れ精度
- 公開資料で確認できず
- 長所
- 穴径を細かく調整できる、デジタル表示やバランス自動補正のタイプもある
- 短所
- 荒加工には向かない(能率が低い)
- 調整
- BIG KAISER(EWN 20-203):目盛板で 1/100 mm 以内の調整(直径・半径どちら基準かは明記なし)[35]
- BIG KAISER(EWE 2-152(デジタル)):LCD 分解能 Ø0.00005"(約 Ø1.3 µm)。加工範囲 Ø0.079"〜6"[36]
ドリルチャック(キーレス)Keyless drill chuck
- 規格
- ISO 10888:1999(キーレス 3 つ爪ドリルチャックの仕様)[37][38]
- しくみ
- 3 つ爪をスリーブの手回しで締める。多くは切削トルクで自動的に増し締めされる(セルフタイトニング)。
- 用途
- ドリル加工・センタ穴、ボール盤や汎用機
- 振れ精度
- Albrecht(Albrecht 精密ドリルチャック):0.04 mm(出荷前に確認) 組立後に 4〜6 本の試験ピンで検査。「DIN ISO 10888 に準拠」と記載[38]
- RÖHM(Spiro シリーズ/Supra シリーズ):最高 0.05 mm/最高 0.12 mm 記載なし[39]
- 長所
- 工具交換が速く、径の範囲が広い
- 短所
- 振れは数十 µm で、コレットや油圧より 1 桁大きい、高速回転・エンドミル加工には向かない
Albrecht は AKL 短形を除き全品がセルフタイトニング(albrecht-faq)。
ポリゴンチャックPolygonal clamping chuck (SCHUNK TRIBOS)
- 規格
- —公開資料で確認できず
- しくみ
- 把握穴は多角形(ポリゴン)に作られている。専用の加圧装置で外から押すと穴が円に戻り、工具を入れて圧を抜くと元の多角形に戻ってシャンクを締める(この原理の説明は検索要約のみで、SCHUNK 公式ページ本文では未確認)。
- 用途
- 微細加工・電極・時計部品、金型の細径工具
- 振れ精度
- SCHUNK(TRIBOS-S HSK-A63 Ø25x95):< 0.003 mm 2.5×D[40]
- SCHUNK(TRIBOS-S シリーズ):≤ 0.003 mm(恒久的な振れ・繰返し精度) 記載なし[41]
- SCHUNK(TRIBOS SVL 延長):< 0.003 mm 記載なし[42]
資料1件・参考- 長所
- 振れと繰返し精度が ≤ 0.003 mm
- 部品のない一体構造で細く、高回転向き(TRIBOS-RM/S は最高 85,000 min⁻¹)
- TRIBOS-Mini は ø0.3 mm からつかめる
- 短所
- 専用の加圧装置が要る、TRIBOS-S は軽切削向き。メーカーも「半径方向の力に注意」と記載
- 締め付け
- SCHUNK(TRIBOS-S HSK-A63 Ø25x95):最小トルク 200 N·m[40]
- SCHUNK(TRIBOS-Mini):ø0.3 mm から[43]
TRIBOS は SCHUNK の製品名。
高把持力・抜け止めチャックHigh-grip / pull-out-proof chucks
- 規格
- Safe-Lock シャンクの工具は、DIN 6535 HA シャンク用のホルダでもつかめる(HAIMER FAQ)[31][30]資料1件・参考
- しくみ
- 摩擦による把握に加えて、形状で抜けと滑りを止める機構をもつ。HAIMER Safe-Lock は、シャンクのらせん溝にホルダ側のドライブキーがはまり、回転方向に工具を引き込む向きで抜けを防ぐ。BIG MEGA PERFECT GRIP は、ミーリングチャックに Weldon フラットへ掛かるキーグリップ機構を組み合わせる。
- 用途
- HPC・重切削、航空機部品の Ti 加工
- 振れ精度
- HAIMER(Power Shrink Chuck with Safe-Lock):< 0.003 mm 記載なし[44]
- BIG DAISHOWA(MEGA PERFECT GRIP):先端 1 µm・4D 3 µm(検索要約のみ。製品ページ・取扱説明書では未確認) 4D検索要約のみ。公式ページ本体で未確認のため出典なし
- Sandvik Coromant(CoroChuck 930+機械的ロック付き Weldon 用コレット):チャック本体は < 4 µm(2.5×DC)。ロック付きコレット使用時の値は記載なし 2.5×DC[22]
資料1件・参考- 長所
- 荒加工・難削材(Ti・Inconel)の高負荷加工で、工具の抜け(マイクロクリープ)と空転を防ぐ
- Safe-Lock は焼きばめの振れ精度を保ったまま形状で固定できる
- 短所
- 溝付き(Safe-Lock)や Weldon フラット付きのシャンクが必要、Safe-Lock は ø6 mm 以上
Safe-Lock(Safe-λock®)は HAIMER の登録商標・特許。工具メーカーへのライセンスあり。MEGA PERFECT GRIP の取扱説明書は「公称把握径より 0.02 mm 以上細いシャンクは使わない」と注意している(bd-mpg-manual)。
圧入式コレットホルダ(powRgrip)Press-fit collet system (REGO-FIX powRgrip)
- 規格
- —公開資料で確認できず
- しくみ
- テーパのついたコレットを、専用の油圧ユニットで最大約 9 トンの力でホルダに圧入する。圧入で生じる半径方向の力が、すり割りコレットを通じてシャンクを締める。熱は使わない。
- 用途
- 高精度ミーリング、自動化ラインの工具交換
- 振れ精度
- REGO-FIX(powRgrip システム):TIR ≤ 0.0001"(3 µm) 3×D(システム全体)[10]
資料1件・参考- 長所
- 3 µm(3×D)の振れ、伝達トルク最大 1,100 N·m、交換 10 秒未満(メーカー表記)
- 短所
- 専用の圧入ユニットが要る、シャンク公差は h6
- 締め付け
- REGO-FIX(powRgrip):伝達トルク最大 1,100 N·m。把握範囲 0.0079"〜1"(約 0.2〜25.4 mm)。長さの繰返し精度 < 10 µm[45]
powRgrip は REGO-FIX の登録商標。
振れ精度は、メーカーごとに測る位置(工具径の 2.5〜4 倍の位置、先端から 100 mm など)が違います。数字どうしを単純に比べられない点に注意してください。