ケズリバ(kezuriba.net)/maintenance/compressor/safety/ より印刷
エアコンプレッサの保全作業の安全
止めて・錠を掛けて・札を付ける。法令と規格が求めること。点検・交換の周期と油種は、手元の機械の取扱説明書が最優先。ここにある周期は公開資料にあった機種の例で、運転時間・周囲温度・粉じんで変わる。安全弁を外したり設定を上げたりしない。ドライヤの冷媒、本体の分解整備、電気工事はメーカー・販売店や有資格者に頼む。法令の要点は 2026-10-06 に e-Gov で確かめたもの
⚠法令・規格が求めること
- 労働安全衛生法施行令 第1条第7号(第二種圧力容器の定義)
ゲージ圧力 0.2 MPa 以上の気体を内部に保有する容器で、内容積 0.04 m³ 以上、または胴の内径 200 mm 以上かつ長さ 1,000 mm 以上のもの(第一種圧力容器を除く)
工場の空気タンクやコンプレッサ付属のタンクの多くが当てはまる。設置の届出は要らないが、検定・定期自主検査・安全弁と圧力計の措置が要る[1][2][3]
- ボイラー及び圧力容器安全規則 第84条(検定)
第二種圧力容器を製造・輸入した者は、労働安全衛生法 第44条の個別検定を受けなければならない
自社で作って自社で使う場合も検定が要る(厚労省の事例)。第二種圧力容器明細書は検定の証明になるので大切に保管する(アネスト岩田)[4][3][5]
- ボイラー及び圧力容器安全規則 第88条(定期自主検査)・第89条(補修等)
使用開始後 1 年以内ごとに 1 回、本体の損傷、ふたの締付けボルトの摩耗、管と弁の損傷を自主検査し、結果を 3 年保存する。異常があれば補修する
特定自主検査ではないので、事業者が自分で行ってよい。記録用紙の書式例は取扱説明書に載っていることが多い(明治機械製作所)[4][2][6]
- ボイラー及び圧力容器安全規則 第86条(安全弁の調整)・第87条(圧力計の防護)
安全弁は最高使用圧力以下で作動するよう調整する(2 個以上なら他は 3 % 増以下まで可)。圧力計は凍結させず 80 ℃以上にしない措置をとり、目盛の最高使用圧力の位置に見やすい表示をする
安全弁は容器を守る最後の安全装置。取り外し・設定圧力を上げることは絶対にしない(厚労省の事例の対策)[4][6][3][7]
- 高圧ガス保安法 第2条・高圧ガス保安法施行令 第2条第5項第1号
常用の温度で 1 MPa 以上となる圧縮ガスは高圧ガス。ただし、圧縮装置(空気分離装置を除く)内の圧縮空気で、35 ℃で 5 MPa 以下のものは適用除外
工場用の空気圧縮機の多くはこの適用除外に当たるが、吐出圧力が 1 MPa 以上の機種や昇圧機(ブースタ)を入れるときは、メーカーに扱いを確かめる。高圧ガスの製造者には施設を技術基準に維持する義務がある(日本産業機械工業会)[8][9][2]
- 騒音規制法施行令 別表第一 第2号・振動規制法施行令 別表第一 第2号、両法の第6条
原動機の定格出力 7.5 kW 以上の空気圧縮機は、騒音規制法・振動規制法の特定施設(環境大臣が指定する低騒音・低振動のものを除く)。指定地域で設置するときは、工事開始の 30 日前までに市町村長に届け出る
敷地境界での騒音・振動を地域の規制値以下にする。規制の内容は都道府県で違う。低振動型として型式指定を受けた圧縮機は振動規制法の対象外(日本産業機械工業会) アネスト岩田の解説は届出先を「市町村の公害担当窓口を通じて都道府県知事」としているが、e-Gov の現行の第6条は市町村長への届出[10][11][12][13][2][3]
- フロン排出抑制法(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律)
冷凍式ドライヤと冷凍式ドライヤ搭載機は第一種特定製品。使用中は 3 か月に 1 回以上の簡易点検と記録、廃棄時は登録業者にフロン類の回収を依頼する
漏えいを見つけたら速やかに修理し、修理前の補充はしない。冷凍機の出力が 7.5 kW 以上のものは定期点検も要る(アトラスコプコ) 条文・告示は e-Gov で確かめていない(工業会とメーカーの解説による)[2][3][14]
- 水質汚濁防止法(油を含むドレンの排出)
給油式のドレンには油が含まれるので、そのまま排水しない。処理装置で分離するか、産業廃棄物として委託する
排出基準は地域で違うので、市区町村の公害担当窓口で確かめる(アネスト岩田) 基準値(アネスト岩田は油分 5 mg/L 以下と紹介)は e-Gov で確かめていない[15][16]
- 工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準(経済産業省告示)
コンプレッサなど流体機械は、使用端の圧力と吐出量を見直し、負荷に応じた台数・回転数の管理標準を決める。漏えいを防ぎ、配管の抵抗を減らすよう定期的に保守・点検する。低い圧力で足りる用途は減圧せず低圧のブロワ・ファンを使う
省エネ法の特定事業者でなくても、エアの省エネの考え方の基本になる。消費量の低減・漏れの低減・圧力の低下が三本柱(省エネルギーセンター) 工場全体の電力のうちコンプレッサは 1〜3 割程度を占めるとされる(日本産業機械工業会・AIRMAN は 2〜3 割、J-Net21 は 10〜30 %)[17][18][19][20]
- メーカーの取扱説明書・工業会の資料(点検前の停止と残圧の放出)
清掃・点検の前に主電源を切り、空気弁やドレン弁を開けてタンクの圧力をゼロにし、「整備中」の表示をする
圧力が残ったまま圧力計などの加圧部を外すと部品が飛ぶ。回転部への巻込みや感電の危険もある(明治機械製作所)。電気工事は電気主任技術者・電気工事士など専門知識のある人が行う(日本産業機械工業会)[6][21][16]
条文は要点をケズリバの言葉でまとめたものです。正確な文言は e-Gov 法令検索の原文で確かめてください。
📚出典
印のない項目は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。数値・周期は機種ごとの指定が優先します。文はケズリバの言葉でまとめています。
- 厚生労働省「労働安全衛生法施行令(e-Gov 法令検索。第1条第7号 第二種圧力容器の定義)」
- 日本産業機械工業会(JSIM)汎用圧縮機委員会「パンフレット「メンテナンスのすすめ 空気圧縮機“安全と省エネ”のために」(2026年2月版)」
- アネスト岩田「基礎知識「コンプレッサの設置に関する法規」」
- 厚生労働省「ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov 法令検索。第84条・第86条〜第89条)」
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害事例「自社製のエアタンクが破裂」」
- 明治機械製作所「空冷式オイルフリーコンプレッサ 取扱説明書(A(D)PF-22・FOK-22)」
- 厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害事例「エアタンクが破裂」」
- 経済産業省「高圧ガス保安法 第2条(高圧ガスの定義)(e-Gov 法令検索)」
- 経済産業省「高圧ガス保安法施行令 第2条第5項第1号(圧縮装置内の圧縮空気の適用除外)(e-Gov 法令検索)」
- 環境省「騒音規制法施行令 別表第一(e-Gov 法令検索)」
- 環境省「振動規制法施行令 別表第一(e-Gov 法令検索)」
- 環境省「騒音規制法 第6条(特定施設の設置の届出)(e-Gov 法令検索)」
- 環境省「振動規制法 第6条(特定施設の設置の届出)(e-Gov 法令検索)」
- アトラスコプコ「圧縮空気に関する FAQ(アトラスコプコジャパン)」
- アネスト岩田「基礎知識「冷凍式ドライヤで分離する水分量」」
- 日本産業機械工業会(JSIM)汎用圧縮機委員会「パンフレット「『空気圧縮機』を安全に設置するために」(AIRMAN のサイトに掲載)」
- 経済産業省「工場等におけるエネルギーの使用の合理化に関する事業者の判断の基準(平成21年経済産業省告示第66号。資源エネルギー庁掲載)」
- 省エネルギーセンター「講座案内「空気圧システムの省エネルギー」」
- 中小企業基盤整備機構(J-Net21)「省エネQ&A「圧縮空気システムの省エネのポイントは?(その1:吐出圧力の低減)」」
- AIRMAN(旧 北越工業)「モータコンプレッサの特徴(インバータ制御と工場の電力に占める割合)」
- アトラスコプコ「エアコンプレッサーのトラブルシューティング方法」