エアコンプレッサの不調の早見表

症状から、考えられる原因・点検する所・処置を引く。点検・交換の周期と油種は、手元の機械の取扱説明書が最優先。ここにある周期は公開資料にあった機種の例で、運転時間・周囲温度・粉じんで変わる。安全弁を外したり設定を上げたりしない。ドライヤの冷媒、本体の分解整備、電気工事はメーカー・販売店や有資格者に頼む。法令の要点は 2026-10-06 に e-Gov で確かめたもの

吐出量・圧力が足りない(いつもより圧力が上がらない)共通

使用側の消費量、吸込フィルタ、配管の漏れ、圧力計と圧力スイッチの設定[1][7]

考えられる原因点検する所処置
空気の消費量が吐出量を上回っている(エア漏れを含む)末端を閉じたときの漏れ率、つながっている機器の必要空気量漏れを直す。それでも足りなければ増設・入替えを考える[1][2]
吸込フィルタの目詰まりフィルタの汚れ清掃・交換する[1][3][4]
電磁弁の不具合、吸込弁が開き切らない、セパレータエレメントの詰まり(スクリュー)ロード・アンロードの切替え、セパレータの交換時期電磁弁を交換する。オイル・オイルフィルタ・セパレータを交換する。吸込弁はメーカーに点検を頼む[1](資料1件・参考)
ピストンリング・弁の摩耗(レシプロ)タンクの充てん時間が延びていないか、ピストンリングの厚さ摩耗限度に達したら交換する(販売店・メーカーに依頼)[5][6]

吐出温度・本体温度が高い、温度異常で止まる共通

室温と換気、クーラの汚れ、油量[1][3]

考えられる原因点検する所処置
冷却空気の不足(換気不足、排気の再循環)コンプレッサ室の温度、吸気口・排気口のふさがり、排気ダクト換気を改善し、冷却空気が再循環しないようにする[1][8][9]
オイルクーラ・エアクーラの汚れフィンのほこりフィンを掃除する。クーラ内部の詰まりはメーカーに依頼[1][3]
油量が少ない油量計純正油を補給する[1][10]
油の劣化、オイルフィルタの詰まり、温調弁の故障油とフィルタの交換時期交換の目安に沿って替える[3](資料1件・参考)
水冷式で冷却水の温度が高い、水量が足りない、水回路のスケール冷却水の温度・流量水量を増やし、水回路とクーラを清掃する[1](資料1件・参考)

二次側の配管・機器に水が出る共通

オートドレンの排出、ドライヤの警報と露点、タンクのドレン[3][1]

考えられる原因点検する所処置
オートドレン(ドレントラップ)の詰まり・故障ドレンが出ているか、フィルタ・フロート弁分解・清掃し、必要なら交換する[3][1]
ドライヤの露点が高い(吸気・周囲温度の高さ、容量超過、冷媒不足、エアクーラの汚れ)ドライヤ入口温度、室温、処理量温度・処理量を仕様内にする。冷媒はメーカーに依頼する[1][3]
空気タンクのドレンを抜いていないタンクのドレン弁毎日抜く。オートドレンを付ける[11][7]

油の消費が多い、圧縮空気に油が混じるスクリュー

考えられる原因点検する所処置
オイルセパレータエレメントの劣化・目詰まりセパレータの交換時期セパレータを交換する。必要な清浄等級ならラインフィルタを加える[3][7]

ロード時に安全弁が吹く、アンロードしないスクリュー

吐出圧力の設定、安全弁の設定値[1]

考えられる原因点検する所処置
安全弁・吸込弁・ミニマムプレッシャーバルブの不具合、電磁弁の故障圧力の設定値電磁弁を交換する。弁類はメーカーに点検を頼む[1](資料1件・参考)
オイルセパレータエレメントの詰まり交換時期オイル・オイルフィルタ・セパレータを交換する[1][3]
ドライヤ配管の凍結による詰まり冷媒回路、ドライヤの吸排気の状態冷媒回路はメーカーに点検を頼む。ドライヤの排気口に吸気ダクトをつけない[1][9]

焦げ臭い、吐出配管が異常に熱い(炭化物による発火の兆候)共通

考えられる原因点検する所処置
潤滑油の炭化物がセパレータや配管内にたまり、反応熱がこもった油の交換時期、使っている油(純正か)、配管内部すぐ止めてメーカーに点検を頼む。純正油を使い、交換時期を守る悪化すると発火し、最悪の場合は爆発する(日本産業機械工業会)[7][10]

起動しない、運転中に止まる(過負荷)共通

電源・ブレーカー、過負荷リレーの表示[1][8]

考えられる原因点検する所処置
モータ過負荷リレー・サーミスタの作動、相順の誤り、配線の断線コントローラの表示、相順過負荷は1回だけリセットし、再発したらメーカーに連絡する[1](資料1件・参考)
電源容量の不足、電圧降下・相のアンバランスブレーカー容量、起動時の電圧降下十分な容量のブレーカーにする。一時的な電圧降下は −10 % 以内。電圧変動・相アンバランスが大きいときは電源側に AC リアクトルを入れる[8](資料1件・参考)

空気タンクが破裂した(災害事例からの教訓)共通

考えられる原因点検する所処置
安全弁の取外し・整備不良、圧力調整装置の故障で、タンクの強度以上の圧力がかかった安全弁の作動、圧力スイッチの作動、タンクの検定刻印・明細書検定に合格したタンクを使い、安全弁・圧力調整装置を定期点検する。安全弁を外したり設定を上げたりしない[12][13](資料1件・参考)
強度計算なしに自作したタンク(第二種圧力容器なのに構造規格・検定を通っていない)自作・改造したタンクがないか自社で使うタンクでも、第二種圧力容器に当たるなら構造規格に合わせ、個別検定に合格したものを使う[14][13](資料1件・参考)

加工条件・工具の側の原因は 加工トラブル事典 にまとめています。

📚出典

印のない項目は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。数値・周期は機種ごとの指定が優先します。文はケズリバの言葉でまとめています。

  1. アトラスコプコ「エアコンプレッサーのトラブルシューティング方法」
  2. 中小企業基盤整備機構(J-Net21)「省エネQ&A「圧縮空気漏れ対策の省エネ効果は?」」
  3. アネスト岩田「「部品の役割と不具合(スクリューコンプレッサ)」(LRS-220BD 定期点検整備基準表)」
  4. 日本産業機械工業会(JSIM)汎用圧縮機委員会「パンフレット「メンテナンスのすすめ 空気圧縮機“安全と省エネ”のために」(旧版)」
  5. 明治機械製作所「空冷式オイルフリーコンプレッサ 取扱説明書(A(D)PF-22・FOK-22)」
  6. アネスト岩田「「レシプロコンプレッサ(パッケージタイプ)の日常点検」(CLP37EF-8.5(D) 定期点検整備基準表)」
  7. 日本産業機械工業会(JSIM)汎用圧縮機委員会「パンフレット「メンテナンスのすすめ 空気圧縮機“安全と省エネ”のために」(2026年2月版)」
  8. 日本産業機械工業会(JSIM)汎用圧縮機委員会「パンフレット「『空気圧縮機』を安全に設置するために」(AIRMAN のサイトに掲載)」
  9. アネスト岩田「基礎知識「換気量について」」
  10. アネスト岩田「お知らせ「給油式レシプロコンプレッサ潤滑油点検実施のお願い」(2020年12月)」
  11. アネスト岩田「基礎知識「空気タンクで分離する水分量について」」
  12. 厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害事例「エアタンクが破裂」」
  13. 厚生労働省「ボイラー及び圧力容器安全規則(e-Gov 法令検索。第84条・第86条〜第89条)」
  14. 厚生労働省「職場のあんぜんサイト 労働災害事例「自社製のエアタンクが破裂」」