放電加工機の給油・潤滑

給油する場所・油の種類と粘度(ISO VG)・交換の目安。周期・設定値・油種は機械メーカーの取扱説明書が最優先。ここにある値は公開資料に載っていた例。危険物を加工液に使う放電加工機は市町村の火災予防条例の対象で、設置の届出や貯蔵量の扱いは管轄の消防署の指導に従うこと

⛽給油する場所と油

場所機械油(例)間隔の目安
各軸の送り機構(ボールねじ・案内面)共通機械メーカーが指定するグリース・潤滑油ファナックは予防保全の内容に全軸の潤滑を挙げ、牧野は機械を長く止める前に各軸とボールねじにグリースが行き渡っていることを確かめるよう勧めている。給油箇所・油種・周期は機種の取扱説明書で確かめる機械メーカーの周期。予防保全では全軸を潤滑し、長く止める前にもグリースが行き渡っているか確かめる[1][2]

🛢油の種類と選び方

放電加工油(形彫り・細穴の一部・油仕様のワイヤ)代表性状で 40℃ 1.7〜6.0 mm²/s 程度の低粘度(ENEOS・出光の放電加工油の例)
極間を絶縁し、加工部を冷やし、加工くずを運び出す加工液。消防法の危険物(第4類)に当たるものが多い 引火点 70℃未満の油は条例で使えない(灯油などは不可)。銘柄ごとの引火点・危険物の区分は表「放電加工油の代表性状」を見る[3][4][5][6][7][8]
脱イオン水(ワイヤ・細穴の水仕様)
水道水をイオン交換樹脂に通してイオンを除いた水。加工速度が大きく、加工くずの排出と冷却に優れるので、ワイヤでは一般に水が多く使われる 比抵抗(導電率)を機械の設定値に保つ。水系の加工液は消防法・条例の放電加工機の規制の対象外[9][10][8][11]

📚出典

印のない項目は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。数値・周期は機種ごとの指定が優先します。文はケズリバの言葉でまとめています。

  1. FANUC Europe(ファナックの欧州法人)「ROBOCUT Preventive Maintenance(予防保全の内容と周期)」
  2. Makino Inc.(牧野フライス製作所の米国法人)「Machine layup suggestions(2020年3月23日。機械を長く止めるときの勧め。形彫り・ワイヤ放電加工機を含む)」
  3. ENEOS「商品紹介 IND-6005-2405 メタルワーク S(放電加工専門油)」
  4. ENEOS「商品紹介 IND-6060-2405 メタルワーク EDO L(放電加工専用油)」
  5. 出光興産「潤滑油製品資料 ダフニー マーグプラス ED5(形彫り放電加工油)」
  6. 出光興産「潤滑油製品資料 ダフニー マーグプラス ED3(形彫り・細穴放電加工油)」
  7. 札幌市消防局「札幌市火災予防条例 第14条の2(放電加工機)の趣旨と解説」
  8. 危険物保安技術協会「Safety & Tomorrow No.148(2013)危険物関係用語の解説(第23回)放電加工機」
  9. ソディック「よくあるご質問(ワイヤ放電加工・形彫り放電加工)」
  10. 静岡大学「技術報告「ワイヤ放電加工機を利用した細穴加工」(工学部 装置開発系技術室)」
  11. 船橋市消防局「第16 放電加工機(条例第10条の2)の運用」