長さの基準

ゲージブロックGauge block (gage block)

別名:ブロックゲージ(JIS の名称)、ヨハンソンブロック(俗称・資料での確認なし)

ゲージブロックを使っているところのイラスト

≡規格・測定範囲・精度

規格
  • JIS B 7506:2004 ブロックゲージ(ISO 3650:1998 を基礎に改正)
  • ISO 3650:1998 Length standards — Gauge blocks(等級 K・0・1・2)
  • ASME B89.1.9 Gage Blocks(等級 K・00・0・AS-1・AS-2)
[1][2][3][4][5][6]
測定範囲
  • 一般 呼び寸法 0.5〜1000 mm
  • セット例 1 mm 基準のセットなど(ミツトヨ)
[3][4][6]
最小表示量・目量
  • 説明 目盛を持たない基準器。寸法は等級ごとの許容差(寸法許容差・寸法許容差幅)で決まる
[2][6]
精度(器差・最大許容誤差)
  • 等級 ISO 3650 は校正等級 K と 0・1・2 級。ASME B89.1.9 は K・00・0・AS-1・AS-2
  • 考え方 等級ごとに『任意点の寸法の許容差(±te)』と『寸法許容差幅(tv)』を決めている(数表は丸写ししない)
  • 用途の目安 等級ごとの用途の区分は、確認できた公開資料に記載がなかった(unverified)
  • byMaker
    [3][6][2]

    ▦種類

    レクタンギュラ(長方形断面)・スケヤ(正方形断面・継ぎ足し用の穴付き)

    [6][2]

    鋼製・セラミックス製・低膨張セラミックス・超硬

    [6][7]資料1件・参考

    単品・標準セット・マイクロメータ検査用セット

    [6]資料1件・参考

    ◎各部の名称と役目

    #名称英語役目
    1測定面(2 面)Measuring faces平行な 2 面の間隔が寸法。ここを密着(リンギング)させる。[7][8]
    2呼び寸法と製造番号の刻印Markingセラミックスはレーザで黒く刻印。[6]

    ◷目盛りの読み方

    1. 組み合わせの選び方:数をできるだけ少なく、なるべく厚いものを使い、寸法の最小桁から決めていく例:23.456 mm = 1.006 + 1.45 + 21(ミツトヨの例)。25.435 mm = 1.005 + 1.03 + 1.4 + 22[9][8]
    ゲージブロックの組み合わせ:21 + 1.45 + 1.006 = 23.456 mm
    21 mm1.45 mm1.006 mm23.456

    高さは見やすさのため実寸の比率ではありません。いちばん小さい桁(この例では 0.006)から決めていくと、少ない枚数で組めます。

    ゲージブロックの組み合わせ:22 + 1.4 + 1.03 + 1.005 = 25.435 mm
    22 mm1.4 mm1.03 mm1.005 mm25.435

    高さは見やすさのため実寸の比率ではありません。いちばん小さい桁(この例では 0.006)から決めていくと、少ない枚数で組めます。

    ✋使い方の手順

    1. 環境:熱的に安定した場所で使う。20 ℃と大きく違い、品物とブロックの膨張係数が違う場合は補正する[7][10]
    2. 洗浄:使うブロックの測定面を洗浄液・クリーニングペーパーで清掃する[9][7][8]
    3. かえりの点検:測定面にオプチカルフラットを静かに置き、軽く滑らせて干渉縞が見えるか、軽く押さえて縞が消えるかを見る縞が見えない→大きなかえりかごみ。押さえて縞が消える→かえりなし。局部的に縞が残る→かえりあり。フラットを動かすと縞も一緒に動く→フラット側にかえり[9][8][7]
    4. かえり取り:ブロックと砥石(セラストンまたはアルカンサス砥石)を溶剤で拭き、かえりのある面を砥石に重ねて軽い力で 10 回程度往復させる。薄いものはゴム片で均一に押す。取れなければ交換[9][8][7]
    5. 油膜:測定面にごく少量の油(グリス・スピンドル油・ワセリン等)をのばし、ほとんど無くなるまで拭き取る。油が少なすぎると密着しにくく摩耗も早まる[9][8][7][5]
    6. 密着(リンギング):厚い同士は測定面の中央で 90° に交差させて重ね、軽く力をかけて回して合わせる[9][8]
    7. 厚いものと薄いもの:薄いブロックの片側を厚いブロックに重ね、重なり全体を押しながら滑らせて合わせる[9][8]
    8. 薄い同士:曲がりを防ぐため、まず薄いものを厚いブロックに密着させ、その上にもう 1 枚の薄いものを密着させ、最後に厚いブロックを外す。オプチカルフラットで密着状態を確認する[9][8]
    9. 組み立てたら露出した測定面を拭き、同じ要領で積み上げる[8]

    !よくある測定ミスと対策

    素手で長く持つ

    なぜ体温で伸びる(100 mm 鋼製ブロックの変化例がミツトヨにある)。指紋はさびの原因

    対策手袋・ピンセットを使い、温度なじみの時間をとる[9][7][10]

    落下・ぶつけ

    なぜかえりができて密着も精度も悪くなる(セラミックスは角がつぶれにくい)

    対策ブロック同士をぶつけない。作業台に人工皮革マットを敷く[7][6]

    油の付けすぎ・不足

    なぜ

    対策薄くのばして拭き取る[7][5]

    ✓手入れ・保管と点検・校正

    手入れ・保管

    点検・校正

    メートルの定義(1983 年、光が真空中を 1/299 792 458 秒に進む長さ)を工業で実現する基準器(ミツトヨ)。JIS の正式名称は『ブロックゲージ』、メーカーは『ゲージブロック』と呼ぶことが多い。

    ⇄関連する器具

    📚出典

    印のない内容は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。手順や注意は資料をもとにケズリバの言葉でまとめ、図はケズリバが描いたものです。精度の値は JIS の数表ではなく、メーカーの公表値です。

    1. 日本規格協会「JIS B 7506:2004 ブロックゲージ(書誌)」
    2. 日本規格協会「JIS B 7506:2004 プレビュー(まえがき・目次。ISO 3650:1998 を基礎)」
    3. ISO「ISO 3650:1998 Length standards — Gauge blocks」
    4. ASME「ASME B89.1.9 Gage Blocks」
    5. Starrett「Testing Gage Blocks for Wringability」
    6. ミツトヨ「Mitutoyo Product Fundamentals(Bulletin No. 2180、Mitutoyo America)」
    7. ミツトヨ「Check Points for Measuring Instruments(Catalog No. E12024)」
    8. ミツトヨ「Quick Guide to Precision Measuring Instruments(Catalog No. E11003(7)、2024年8月時点)」
    9. ミツトヨ「ゲージブロックの基礎知識」
    10. オーエスジー「技術資料 シリーズNo.2 ねじゲージ(2016年5月改訂版)」