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プレス機械の精度の点検
水平出し・主軸の振れ・ボールバーなど。規格と測り方。点検の周期・判定の数値・油種は、プレスメーカーの取扱説明書と、機械・安全装置の銘板の表示が最優先。特定自主検査は資格のある人か登録検査業者が行う。安全装置の取付け・調整は特別教育の対象業務。ここにある法令の要点は 2026-10-06 に e-Gov と厚生労働省の公開資料で確かめたもので、改正に注意すること
⌖点検のしかた
- プレスの精度等級を知り、年1回の精度点検で劣化を見る機械プレス
道具規格に沿った測定具(ダイヤルゲージ、円筒スコヤなど。JIS B 6402 は JIS B 7539 円筒スコヤ・座標測定機の規格を引用)
やり方JIS B 6402 の静的精度の項目を測り、納入時の等級と比べる
許容値JIS B 6402 の等級(特級・1級・2級・3級)ごとの許容値。数値は規格本文で確かめる
アイダは、精度が落ちると製品精度のばらつき・金型寿命の短縮・騒音や振動の増加が起きるとして、年1回の精度点検を勧めている。動的精度(負荷時)は測り方と評価が難しく公的な規定がない
- ボルスター(ベッド)上面とスライド下面の真直度機械プレス
道具直定規・ダイヤルゲージなど
やり方金型を取り付ける面がそれぞれ平らかを測る
許容値JIS B 6402 の等級による
悪いと加工中に金型が変形し、製品の精度不良や金型破損の原因になる(アイダ)
[3](資料1件・参考)
- スライド下面とボルスター上面の平行度機械プレス
道具ダイヤルゲージ
やり方上下の取付け面を組にして平行の度合いを測る
許容値JIS B 6402 の等級による
悪いと上下型が平行に当たらず、コイニング・サイジングで特に影響が出る(アイダ)
[3](資料1件・参考)
- スライドの上下運動とボルスター上面の直角度機械プレス
道具円筒スコヤ・ダイヤルゲージ
やり方ボルスター上面に対してスライドがまっすぐ上下するかを見る
許容値JIS B 6402 の等級による
悪いと上下型の芯がずれる。薄板の打抜きで影響が大きい(アイダ)
[3](資料1件・参考)
- シャンク取付け穴とスライド下面の直角度機械プレス
道具ダイヤルゲージ・テストバー
やり方シャンク穴をもつプレスで、スライド下面に対する穴の直角度を見る
許容値JIS B 6402 の等級による
[3](資料1件・参考)
- 連結部上下の総合すきま機械プレス
道具ダイヤルゲージ
やり方スライドを上下に動かしたときの、連結部(コンロッド・クランク・ギブなど)の合計のすきまを測る
許容値JIS B 6402 の等級による。できるだけ小さいほうがよい
総合すきまが大きいとブレークスルー(打抜きの瞬間の衝撃)が大きくなり、金型摩耗・振動・騒音の原因になる。経年の摩耗で大きくなる。可動部品の摩耗・変形によるガタは、部品の新製交換や修正加工(オーバーホール)で精度を戻せる(アイダ)
- 回転角度表示計とスライド位置の一致機械プレス
道具ダイヤルゲージ
やり方スライドの下死点をダイヤルゲージで求め、そのときの回転角度表示計の表示を見る
許容値スライドの位置と表示が一致していること(特定自主検査基準)。ポジティブクラッチ付きプレスは、一行程運転で上死点と実際の停止点の角度が 10 度以内
[7](資料1件・参考)
≡関係する規格
- 機械プレスJIS B 6402:2020 機械プレス-精度等級及び精度検査(原案作成:日本鍛圧機械工業会)一般用の単動クランクプレス・単動クランクレスプレスが対象。熱間鍛造用・リンクプレス・特殊構造のプレスは除く。精度は特級・1級・2級・3級の 4 等級(JIS のプレビュー)[1][2][3]
- 油圧プレスJIS B 6403:2020 液圧プレス-精度等級及び精度検査金属板の打抜き・曲げ・成形・絞りに使う液圧プレスが対象。横形プレス、スライドガイドのないコラム形、特殊構造のプレスは除き、プレスブレーキも特殊構造として対象外。等級は特級〜3級の 4 等級(JIS のプレビュー)[4][2]
- 共通JIS B 6411-1(ISO 16092-1 を修正して採用)プレス機械-安全性-第1部:一般安全要求事項、JIS B 6411-2(ISO 16092-2)第2部:機械プレスの安全要求事項第1部はプレスブレーキ・タレットパンチプレスには適用しない。日鍛工の一覧では第1部の制定は 2025-03-25[2](資料1件・参考)
- 共通JIS B 0111 プレス機械-用語JIS B 6402・6403 が引用する用語の規格。日鍛工はプレス機械の定義をこの規格から引いている[1][2]
規格の本文は有料のため、許容値は機械メーカーが公開している社内基準などで書いています。規格の対応は 規格の対応表 も見てください。
📚出典
印のない項目は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。数値・周期は機種ごとの指定が優先します。文はケズリバの言葉でまとめています。
- 日本規格協会(JSA)「JIS B 6402:2020 機械プレス-精度等級及び精度検査 プレビュー(まえがき・適用範囲)」
- 日本鍛圧機械工業会(JFMA)「安全・規格「JIS・JFMA規格」(日鍛工が原案を作成した JIS の一覧)」
- アイダエンジニアリング「アイダプレス情報館「プレスの精度とは?」」
- 日本規格協会(JSA)「JIS B 6403:2020 液圧プレス-精度等級及び精度検査 プレビュー(まえがき・適用範囲)」
- アイダエンジニアリング「アイダプレス情報館「プレス機・金型に悪影響を及ぼす『ブレークスルー』とは?」」
- アイダエンジニアリング「アフターサービス「オーバーホール」」
- 厚生労働省「動力プレス特定自主検査基準(令和7年厚生労働省告示第323号、令和8年1月1日適用)」