比較して測る

シリンダゲージBore gauge / Cylinder gauge

別名:ボアゲージ、内径ゲージ

シリンダゲージを使っているところのイラスト

≡規格・測定範囲・精度

規格
JIS B 7515:1982 シリンダゲージ[1][2]
測定範囲
  • 一般 最小 6 mm〜最大 450 mm(テクロックのラインナップ)
  • byMaker
    • ミツトヨ CG-AX(511-701〜706) 18〜35 mm から 250〜400 mm
    • 新潟精機 WCDI-35 18〜35 mm(換えロッド 7 本)
[2][4][3]
最小表示量・目量
  • 一般 使う指示器(ダイヤルゲージ)の目量で決まる(例:0.01 mm、0.001 mm)
[2][3]
精度(器差・最大許容誤差)
  • 考え方 マスタ(リングゲージ・マイクロメータ等)との比較で測る。JIS B 7515 は、指示精度・繰返し精密度・測定子を 90° ずつ回したときの差・案内板の影響・測定力などを試験項目とする
  • byMaker
    • ミツトヨ CG-AX 繰返し精密度 0.5 µm、測定力 4〜6 N 以下
[2][4]

▦種類

標準形(換えロッド式、ダイヤルゲージを指示器にする)

[3][2][4]

デジタル形(デジタルインジケータ、MIN ホールド機能付きがある)

[2][5]

小径用(マイクロホールテスト ø1.7〜10 mm など)

[2][6]

◎各部の名称と役目

#名称英語役目
1測定子Contact point穴の内面に当たって動く側。[3][2][6]
2換えロッド(アンビル)・ロッド調整ねじExchange rod (anvil), rod adjusting screw測る寸法に合わせて付け替える固定側。[3][2][6]
3案内板(ガイド)Guide測定子と換えロッドの中心を穴の直径の位置へ導く(自動求心)。[3][2][6]
4外筒・にぎり(グリップ)Outer tube, grip手で持つところ。[3][6]
5指示器(ダイヤルゲージ)・取付ねじ(クランプねじ)Indicator, clamp screw測定子の動きを読む。[3][2][6]
6押棒・継足・カム機構(内部)Push rod, extension, cam測定子の変位をカムで 1 対 1 に直角変換し指示器に伝える。[2]

◷目盛りの読み方

  1. 読みは基準(0 に合わせたマスタ寸法)からの差。マスタ寸法に差を足し引きして内径とする[3][2][5]
  2. 揺らしたときの指針の『折り返し点』が直径の位置。穴の軸を含む断面では直径が最小のとき指示器は最大を指す[3][7]
シリンダゲージ:揺らしたときの「指針の折り返し点」が直径
穴の断面直角=直径揺らす揺らす角度指示器の読み折り返し点=この値を読む

穴の軸を含む面で揺らすと、測定子が穴の軸と直角になったとき(はさむ長さが最も短くなるとき)に指針が折り返します(このとき指示器の読みは最大)。その点の値を読み、マスタ(基準)寸法に足し引きします。

✋使い方の手順

  1. 組付け:取付ねじをゆるめて指示器を差し込み、長針が 1/10 回転以上回るまで押し込んで固定する[3]
  2. 換えロッドの選定:測る寸法に合ったロッドを選び、測定子先端からロッド先端までが目標寸法より約 0.5 mm 長くなるようねじ込み量を調整して固定する[3]
  3. 清掃と固定:測定子とアンビルを乾いた布で拭き、クランプねじをしっかり締める[6]
  4. 0 点合わせ:リングゲージ(セットリング)またはマイクロメータに差し込み、揺らして指示器が最大になる点を 0 にする。外枠を回して長針に 0 を合わせる軸に垂直な断面での直径(最大)は案内板が自動で求める。軸を含む断面での直径(最小)は手で揺らして探す。外側マイクロメータで合わせるときはマイクロメータを縦にして使う(ミツトヨ)[3][7][8][6]
  5. 挿入:ハンドルを傾け、案内板側から先に入れて、その後アンビルを入れる[6]
  6. 測定:目盛を見ながら揺らし、指示器が最大を示す点(直径の位置)で読む。読みは基準リングとの差[3][7]

!よくある測定ミスと対策

最大値と最小値の言い方の取り違え

なぜ資料により『指示器の最大』(新潟精機・ミツトヨ英文)、『測定子が最も押し込まれた位置』(ミツトヨ和文)、『最小指示値』(テクロック掲載の JIS 抜粋)と表現が違う。どれも直径が最小になる折り返し点を指す

対策『指針が折り返す点=真の直径』と覚える[3][7][8][2]

揺らさずに読む

なぜ傾いた状態の長い寸法を読んでしまう

対策必ず揺らして折り返し点を探す[3][5]

温度変化と結露(小径用)

なぜ室内外の移動で結露し、測定子が腐食する

対策大きな温度変化を避ける[6]

✓手入れ・保管と点検・校正

手入れ・保管

点検・校正

揺らす動作と指針の折り返しは図解向き(新潟精機取説の図1〜3:直径 a は軸に垂直な断面で最大→案内板が自動で求める、直径 b は軸を含む断面で最小→手で揺らして求める)。

⇄関連する器具

📚出典

印のない内容は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。手順や注意は資料をもとにケズリバの言葉でまとめ、図はケズリバが描いたものです。精度の値は JIS の数表ではなく、メーカーの公表値です。

  1. 日本規格協会「JIS B 7515:1982 シリンダゲージ(書誌)」
  2. テクロック「総合カタログ 8 シリンダゲージ・マイクロホールテスト(JIS B 7515 抜粋を含む)」
  3. 新潟精機「標準シリンダゲージ WCDI-35 取扱説明書」
  4. ミツトヨ「シリンダゲージ CG-AX 511-701 仕様」
  5. ミツトヨ「Mitutoyo Product Fundamentals(Bulletin No. 2180、Mitutoyo America)」
  6. ミツトヨ「Check Points for Measuring Instruments(Catalog No. E12024)」
  7. ミツトヨ「内径測定器の使い方、基礎知識」
  8. ミツトヨ「Quick Guide to Precision Measuring Instruments(Catalog No. E11003(7)、2024年8月時点)」