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振動の評価
振動速度の実効値から ISO 10816-3 の区域 A〜D を判定。正常時との比で見る相対値判定、測定点の選び方。
ふだんの値を
測っておくと
変化に気づけるよ。

÷振動の判定
区域判定(ISO 10816-3 の目安)
相対値判定(正常時との比)
ISO 10816-3 はポンプ・送風機・電動機などの回転機械向けの評価で、工作機械の主軸そのものの基準ではありません。境界値は振動計メーカー(IMV)の解説図から読んだ値です。
機械の振動の評価には振動速度の実効値(mm/s rms)
振動は変位(µm・mm)・速度(mm/s)・加速度(m/s²)で表す。機械の振動の程度(シビアリティ)を見るのは速度で、変位は加工精度や接触の危険など振幅そのものが問題のとき、加速度は高い周波数を見たいときに使う。ISO の機械振動の評価が速度の実効値を使うため、日本でも実効値で表すのが普通になっている。[1][2]
実効値・ピーク値・波高率
正弦波では ピーク値 = 実効値 × √2 / 波高率 CF = ピーク値 ÷ 実効値
実効値は一定時間の瞬時値の 2 乗平均の平方根で、波形に含まれるエネルギーに対応する。波高率は軸受の劣化を相対比較するときの手がかりになる(IMV)。[2][1]
ISO 10816-3:2009 の機械のグループ
| グループ | 範囲 |
|---|---|
| グループ1(大型機械) | 出力 300 kW〜50 MW、軸高さ 315 mm 以上 |
| グループ2(中型機械) | 出力 15 kW〜300 kW、軸高さ 160〜315 mm |
さらに基礎(据付け)が『剛』か『柔』かで分ける。工作機械の主軸そのものではなく、ポンプ・送風機・電動機などの回転機械に使う評価。[3](資料1件・参考)
ISO 10816-3:2009 の区域境界(振動速度の実効値 mm/s)
| グループ | A/B 境界 | B/C 境界 | C/D 境界 |
|---|---|---|---|
| グループ2・剛 | 1.4 | 2.8 | 4.5 |
| グループ2・柔 | 2.3 | 4.5 | 7.1 |
| グループ1・剛 | 2.3 | 4.5 | 7.1 |
| グループ1・柔 | 3.5 | 7.1 | 11 |
IMV の図(『機械のグループに対するよさ判定例』)から読み取った境界値。区域は A:良、B:可、C:警告、D:危険(IMV の表記)。規格本文は有料で、区域の定義文や測定周波数範囲などの条件は確認していない。[3](資料1件・参考)
簡易診断の 3 つの判定方法
| 方法 | 内容 | 補足 |
|---|---|---|
| 絶対値判定 | 機械の種類・大きさで分け、決まった値を超えたら異常とする(ISO の評価基準など) | 判定は簡単だが、機械の種類・部品・メーカーで適正値が違う |
| 相対値判定 | その機械の正常時の値と比べる。例:正常時の 2 倍で注意、5 倍で危険 | 基準値は 10 回以上測って決めるのが望ましい |
| 相互判定 | 同じ機械を何台も並べて同じ測定点を比べる。同等の設備より 2 倍以上大きければ異常の可能性 | 使える機械が限られる |
[3](資料1件・参考)
回転数と振動の周波数
f(Hz)= n(min⁻¹)÷ 60
例:1,860 min⁻¹ で回る送風機の軸受なら回転周波数 31 Hz。FFT で見て回転周波数の成分が大きく高調波が少なければアンバランス、2 次(2 倍の周波数)が目立てばミスアライメントの疑い(リオンの例)。[1](資料1件・参考)
軸受の異常を見るとき
軸受や異常音の検出には、加速度波形に 2〜15 kHz のフィルタをかけるエンベロープ処理(IMV の H 関数)が有効。回転周波数に対応する成分から原因を推定するのが精密診断(FFT 分析)。[3][2](資料1件・参考)
測定点の選び方
近づきやすい、異常以外の影響を受けにくい、異常の変化に敏感、信号が減衰しにくい、毎回同じように測れる、の 5 点を満たす所。軸受台の上で測るのが基本。[2](資料1件・参考)
工作機械の主軸の振動
Haas の予防保全では主軸の振動を測って基準と比べ、記録を将来の比較の基準(摩耗の推移)にする。工作機械の主軸に ISO 10816 の区域値を当てはめてよいかは、公開資料では確認できなかった。[4](資料1件・参考)
📚出典
印のない項目は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。製品の数値は各メーカーの資料が優先します。文はケズリバの言葉でまとめています。