ツールホルダのバランス(許容残留不釣合い・重心の偏り・遠心力)
バランス等級 G・質量・回転数から、許される重心の偏り e と許される不釣合い U、その不釣合いが生む遠心力を出します。測った不釣合いを入れると、等級に収まっているかも分かります。
ホルダのバランスの計算
許される重心の偏り e—µm
許される不釣合い U(許容残留不釣合い)—g·mm
許される不釣合いの遠心力—N
測った不釣合いの遠心力—N
測った U ÷ 許される U(1 以下なら等級内)—
e = 9549 × G ÷ n(µm) U = 9549 × G × m ÷ n(g·mm)= e × m F = U × 10⁻⁶ × ω²(N) ω = 2π × n ÷ 60
e = 9549 × G ÷ n(µm)。白い丸は G2.5・20,000 min⁻¹(約 1.2 µm)。同じ等級なら、回転数が 2 倍になると許される偏りは半分になります。重心の偏りが 1 µm 前後になると、ホルダを付け直したときの位置のばらつき(帯)と同じくらいになり、ホルダ単体で追い込んでも付け直すと崩れます。
計算例
バランス等級 G(2.5・6.3 など) = 2.5 mm/s、ホルダ(工具を含む)の質量 m = 1 kg、回転数 n = 20,000 min⁻¹、測った不釣合い U(バランス測定機の値) = 1 g·mm のとき:
- 許される重心の偏り e:1.19 µm
- 許される不釣合い U(許容残留不釣合い):1.19 g·mm
- 許される不釣合いの遠心力:5.24 N
- 測った不釣合いの遠心力:4.39 N
- 測った U ÷ 許される U(1 以下なら等級内):0.84
使うときの注意
- ISO 21940-11(旧 ISO 1940-1)の「剛性ロータ」としての計算です。回転工具とツーリング用の ISO 16084 は、主軸の軸受の荷重容量やはまりの誤差を使って許容値を決めるので、この計算機では出していません。許容値は、ホルダ・主軸のメーカーの表を優先してください。
- 同じ等級でも、回転数が 2 倍になると許される偏りは半分になります。等級は回転数とセットで見てください。
- カタログの「G2.5/25,000 min⁻¹」は出荷時のホルダ単体の値です。工具・コレット・ナットを付けると変わります。
- 重心の偏りが 1 µm 前後になると、ホルダを付け直したときの位置のばらつきと同じくらいになり、ホルダ単体で追い込んでも付け直すと崩れます。
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よくある質問
- バランス等級 G2.5 とは?
- 回転体の重心の偏り e と角速度 ω を掛けた値(mm/s)で決める等級です。G2.5 は e × ω が 2.5 mm/s 以下という意味で、許される偏りは e = 9549 × 2.5 ÷ n(µm)になります。回転数を決めないと値が決まりません。
- 許容残留不釣合い(g·mm)の計算式は?
- U = 9549 × G × m ÷ n です。m は回転体の質量(kg)、n は回転数(min⁻¹)。たとえば G2.5・1 kg・20,000 min⁻¹ なら U ≒ 1.19 g·mm、重心の偏りは約 1.19 µm です。
- 不釣合いの遠心力はどのくらい?
- F = U × ω² で、U を kg·m(g·mm × 10⁻⁶)、ω を rad/s(2π × n ÷ 60)にして計算します。1.19 g·mm・20,000 min⁻¹ なら約 5.2 N です。回転数が 2 倍になると、同じ不釣合いの遠心力は 4 倍になります。