寸法と公差

寸法記入の決まり、寸法公差、はめあい、普通公差、累積を避ける寸法の入れ方。17 語。用語ごとに、意味・図面への書き方・具体例・よくある間違い・JIS と ASME の違いをまとめています。

サイズ公差(寸法公差)図示サイズ(基準寸法・呼び寸法)許容限界サイズと許容差片側公差・両側公差基本サイズ公差等級(IT等級)公差クラスはめあい方式(穴基準・軸基準)すきまばめ・中間ばめ・しまりばめ普通公差普通幾何公差独立の原則包絡の条件2点間サイズサイズ形体公差の累積テーラーの原理製品の幾何特性仕様(GPS)

サイズ公差(寸法公差)さいずこうさ(すんぽうこうさ)size tolerance / dimensional tolerance

長さや直径などのサイズに許されるばらつきの幅で、上の許容サイズと下の許容サイズの差。2016年の JIS 改正で「寸法公差」から「サイズ公差」に呼び名が変わった。[1][2][3]

許容差で書く50±0.1上下が同じ両側公差は ± でまとめる上下に並べる50+0.20上の許容差を上、下の許容差を下に許容限界サイズ50.250.0許される最大を上、最小を下に公差クラスφ20H7φ20 は図示サイズ、H7 は公差クラス
サイズ公差の書き方は3通り:図示サイズに許容差を付ける、許容限界サイズで書く、公差クラス(H7 など)で書く。50±0.1 なら 49.9〜50.1 が合格。

図面への書き方

  1. 許容差を付けて書く図示サイズの後に上下の許容差を添える(例:50 +0.1/0)。[4]
  2. 許容限界サイズで書く最大と最小のサイズを上下に並べて書く。[4]
  3. 公差クラスで書くφ20H7 のように公差クラスの記号で書く。[4][5]
例50±0.3 なら 49.7 mm から 50.3 mm までが合格。[2]

よくある間違い

JIS と ASMEASME Y14.5 では、サイズ形体のサイズ公差は既定で形状も規制する(Rule #1・包絡原理)。ISO・JIS では規制しない。[12][6][13]

規格:JIS B 0401-1:2016(サイズ公差・はめあいの基礎)、指示方法は JIS B 0420-1:2016 と JIS Z 8318。ISO 286-1、ISO 14405-1。[8][9][10][11]

関連:図示サイズ(基準寸法・呼び寸法)許容限界サイズと許容差独立の原則

図示サイズ(基準寸法・呼び寸法)ずしさいずnominal size / basic size

図面に書かれたサイズの値で、許容差の基準になる値。JIS B 0401 の2016年改正で「基準寸法」から「図示サイズ」に改められた。[1][2]

φ20H7図示サイズ位置の記号(穴は大文字、軸は小文字)基本サイズ公差等級(IT7。数字が小さいほど精密)H と 7 を合わせて「公差クラス」穴 φ20H7 → 20.000〜20.021軸 φ20g6 → 19.980〜19.993
図示サイズ:図面に書かれたサイズの値(φ20H7 の 20)。許容差はこの値を基準に決まる。

図面への書き方

  1. 許容差の基準として書く図示サイズの後に許容差か公差クラスを続けて書く(例:50 +0.1/0、φ20H7)。[4][5]
例φ20H7 の「20」が図示サイズ。(資料の決まりから組み立てた例)[1][5]

よくある間違い

JIS と ASMEASME Y14.5-2018 では「図示した値は、機能上・製造上の狙い値を意味しない」という規則が明記された(4.1(q))。[13]

規格:JIS B 0401-1:2016。[8][1]

関連:サイズ公差(寸法公差)

許容限界サイズと許容差きょようげんかいさいずときょようさlimits of size / upper deviation / lower deviation

許容限界サイズは許される最大・最小のサイズ(上の許容サイズ・下の許容サイズ)、許容差はそれらと図示サイズとの差(上の許容差・下の許容差)。2016年改正で「最大許容寸法」「上の寸法許容差」などから呼び名が変わった。[1][2][3]

許容差で書く50±0.1上下が同じ両側公差は ± でまとめる上下に並べる50+0.20上の許容差 +0.2、下の許容差 0許容限界サイズ50.250.0上の許容サイズ 50.2、下の 50.0公差クラスφ20H7φ20 は図示サイズ、H7 は公差クラス
許容差は「図示サイズからの差」、許容限界サイズは「許される最大・最小のサイズそのもの」。50 +0.2/0 と 50.2/50.0 は同じ範囲を表す。

図面への書き方

  1. 3通りの書き方図示サイズ+許容差、許容限界サイズ(最大・最小)、図示サイズ+公差クラス記号のいずれかで書く。[4]
  2. 組立状態での併記はめあう2部品を組んだ状態の図に、両方の許容差やはめあい記号を並べて書く方法もある。[4]
  3. 数字は大きくはっきり現場では図面が油で汚れたり折れたりするので、許容差やはめあい記号は誤読されない大きさで書く。[4]

よくある間違い

JIS と ASME米国の教材は、片側だけを制限する単一限界寸法(MIN・MAX)や、等しい両側公差・不等な両側公差などの呼び分けを紹介している。[3]

規格:JIS Z 8318(長さ寸法及び角度寸法の許容限界の指示方法)、JIS B 0401-1:2016。[10][8][4]

関連:サイズ公差(寸法公差)片側公差・両側公差

片側公差・両側公差かたがわこうさ・りょうがわこうさunilateral tolerance / bilateral tolerance

両側公差は図示サイズの上下両方向にばらつきを許すもの(±0.1 など)、片側公差は一方向だけに許すもの(+0.2/0 など)。[3][14]

許容差で書く50±0.1上下が同じ両側公差は ± でまとめる上下に並べる50+0.20上の許容差を上、下の許容差を下に図示サイズ±0.1両側公差+0.2 / 0片側公差0 / −0.2片側公差公差域(許される範囲)を図示サイズの線と比べると
両側公差は図示サイズの上下両方に(±0.1)、片側公差は一方だけに(+0.2/0)ばらつきを許す。上下が違うときは上の許容差を上、下の許容差を下に並べて書く。

図面への書き方

  1. 上下の許容差の書き方上下が等しい両側公差は ±0.1 のようにまとめて書き、等しくない両側公差や片側公差は上の許容差と下の許容差を上下に並べて書く。[3][4]

よくある間違い

規格:JIS Z 8318、JIS B 0401-1:2016。[10][8]

関連:許容限界サイズと許容差

基本サイズ公差等級(IT等級)きほんさいずこうさとうきゅうstandard tolerance grade / IT grade

サイズの大きさの区分ごとに、公差の大きさを等級で定めたもの。等級の数字が小さいほど精密になる。2016年の JIS 改正で「公差等級」から「基本サイズ公差等級」に呼び名が変わった。[15][1]

φ20H7図示サイズ位置の記号(穴は大文字、軸は小文字)基本サイズ公差等級(IT7。数字が小さいほど精密)H と 7 を合わせて「公差クラス」穴 φ20H7 → 20.000〜20.021軸 φ20g6 → 19.980〜19.993
基本サイズ公差等級(IT 等級):公差の大きさを表す数字。同じ図示サイズなら、数字が小さいほど公差が小さく精密になる。

図面への書き方

  1. 用途の目安ミスミの解説では、ゲージなどの精密部品に IT01〜IT4、一般機械のはめあいに IT5〜IT10、はめあいのない部分に IT11〜IT16 を主に使うとしている。[15]

規格:JIS B 0401-1:2016、ISO 286-1:2010。[8][11]

関連:公差クラス

公差クラスこうさくらすtolerance class

公差の位置を表す記号(穴は大文字、軸は小文字)と、基本サイズ公差等級の数字を組み合わせたもの(H7、g6 など)。2016年改正で「公差域クラス」から改称された。[15][1][5]

φ20H7図示サイズ位置の記号(穴は大文字、軸は小文字)基本サイズ公差等級(IT7。数字が小さいほど精密)H と 7 を合わせて「公差クラス」穴 φ20H7 → 20.000〜20.021軸 φ20g6 → 19.980〜19.993
公差クラス:位置の記号(穴は大文字、軸は小文字)と公差等級の数字を組み合わせたもの(H7、g6 など)。図示サイズの後に続けて書く。

図面への書き方

  1. 図示サイズの後に続けて書くφ20H7、φ20g6 のように書く。[5][4]
  2. 記号の並び穴は A から ZC まで28種で、A 側ほど穴が大きく、H で下の許容差が 0 になる。軸は a から zc で、a 側ほど軸が小さく、h で上の許容差が 0 になる。[15]
例ベアリング用の φ10 の穴を H7、そこにはまるベアリング側を h6 とすると、図示サイズは両方 10 で、記号でそれぞれの許容差が決まる。[5]

よくある間違い

規格:JIS B 0401-1/-2:2016、ISO 286-1。[8][11]

関連:基本サイズ公差等級(IT等級)はめあい方式(穴基準・軸基準)

はめあい方式(穴基準・軸基準)はめあいほうしきhole-basis fit system / shaft-basis fit system

はめあう穴と軸のどちらを基準にして公差クラスを組み合わせるかの方式。穴を H に固定して軸側ではめあいの度合いを変えるのが穴基準はめあい方式で、一般にはこちらを使う。[16][2][1]

単位 µm(φ20 の場合)組立図での書き方:φ20 H7/g6図示サイズ φ20穴 H70〜+21−7〜−20軸 g6軸 k6+2〜+15軸 p6+22〜+35すきまばめ中間ばめしまりばめ穴を H に固定し、軸の記号で度合いを変える
穴基準はめあい方式:穴を H7 に固定し、組み合わせる軸の公差クラス(g6・k6・p6 など)を変えて、すきまやしめしろの度合いを決める。

図面への書き方

  1. 推奨表から選ぶJIS B 0401-1 の推奨表から選ぶ(例:H7 に対して f6・g6・h6・js6・k6・m6・n6・p6・r6・s6 など)。[16]
  2. 最初は色付きの推奨クラスから最初の選択は推奨表で強調されている公差クラスから選ぶのがよい。[16]

よくある間違い

規格:JIS B 0401-1:2016(ISO はめあい方式)。[8][16]

関連:すきまばめ・中間ばめ・しまりばめはめあいの選び方

すきまばめ・中間ばめ・しまりばめすきまばめ・ちゅうかんばめ・しまりばめclearance fit / transition fit / interference fit

穴と軸を組んだときの状態による分類。常にすきまができるのがすきまばめ、すきまにもしめしろにもなりうるのが中間ばめ、常にしめしろができるのがしまりばめ。[17][16][5]

単位 µm(φ20 の場合)組立図での書き方:φ20 H7/g6図示サイズ φ20穴 H70〜+21−7〜−20軸 g6軸 k6+2〜+15軸 p6+22〜+35すきまばめ中間ばめしまりばめ
H7 の穴に対し、g6 の軸は常にすきま(すきまばめ)、k6 はすきまにもしめしろにもなり(中間ばめ)、p6 は常にしめしろ(しまりばめ)になる。

図面への書き方

  1. 組立状態の図での書き方組立図では、はめあう穴と軸の公差クラスを並べて書く方法もある。[4]
例H7 の穴に対し、g6 はすきまばめ、k6 は中間ばめ、p6 はしまりばめ(JIS B 0401-1 の推奨表)。[16]

よくある間違い

規格:JIS B 0401-1:2016。[8][16]

関連:はめあい方式(穴基準・軸基準)はめあいの選び方

普通公差ふつうこうさgeneral tolerances / ISO 2768-1

個々に公差を書かない長さ・角度の寸法に、まとめて適用する公差。精級 f・中級 m・粗級 c・極粗級 v の4等級があり、寸法の区分ごとに許容差が決まっている。[18][2][19][14]

表題欄は図面の右下部品名ブラケット材料SS400数量2尺度1:2投影法図番KZ-001製図2026.10.06承認普通公差 JIS B 0405-m中級 m の許容差(抜粋)6を超え30以下±0.230を超え120以下±0.3120を超え400以下±0.5
普通公差:個々に公差を書かない寸法には、表題欄付近の欄で「JIS B 0405-m」のように規格と等級を示し、まとめて公差を決める。

図面への書き方

  1. 図枠の普通公差欄で一括指示表題欄付近の普通公差欄で、適用する規格と等級を示し、個々の寸法の公差記入を省く。[20][2]
  2. 面取り・角度には別の表面取り部分の長さ(かどの丸み・面取り)と角度には、別の許容差表がある。[18]
例中級 m で、長さ 50 mm(30を超え120以下)なら ±0.3、長さ 200 mm(120を超え400以下)なら ±0.5。(資料の決まりから組み立てた例)[18]

よくある間違い

JIS と ASME米国の教材では、表題欄の公差欄で小数点以下の桁数ごとに許容差を決める方式が紹介されている。JIS は寸法の区分と等級の表で決める。[23][18]

規格:JIS B 0405:1991(英文名称は ISO 2768-1 と同じ)。金属プレス品は JIS B 0408、金属板のせん断品は JIS B 0410。[21][22][18]

関連:普通幾何公差表題欄参考寸法

普通幾何公差ふつうきかこうさgeneral geometrical tolerances

個々に幾何公差を書かない形体に、まとめて適用する幾何公差。H・K・L の3等級があり、真直度・平面度、直角度、対称度、円周振れの値が表で決まっている。[24][19]

表題欄は図面の右下部品名ブラケット材料SS400数量2尺度1:2投影法図番KZ-001製図2026.10.06承認普通公差 JIS B 0419-mKm=長さ・角度の等級、K=幾何公差の等級
普通幾何公差:「JIS B 0419-mK」のように書くと、長さ・角度は中級 m、幾何公差は等級 K がまとめて適用される。

図面への書き方

  1. 図枠で等級を一括指示普通公差と同じく、図面全体に適用する等級を一括して示す。[19]
  2. データムの取り方が決まっている直角度は長い方の辺をデータムとし、円周振れは指定された支持面(なければ長い方の形体)をデータムとする。[24]
例等級 K で、長さ 200 mm の面の平面度は 0.4 mm、短い辺が 80 mm の直角度は 0.4 mm、円周振れは 0.2 mm。(資料の決まりから組み立てた例)[24]

よくある間違い

規格:JIS B 0419:1991。対応する ISO 2768-2 は廃止されている(ISO の規格ページで Withdrawn)。[25][26]

関連:普通公差幾何公差

独立の原則どくりつのげんそくprinciple of independency / independency principle

図面に書いたサイズ公差と幾何公差は、特別な指示がない限り互いに関係せず、それぞれ別に満たすべき要求とする考え方。ISO(1985年)と JIS(1988年)が採用した。[1][12][6]

図面への書き方

  1. 形状を規制したいときは幾何公差を追加サイズ公差だけでは曲がりやうねりは規制されないので、必要な形状公差を指示する。[1][6]
  2. サイズと形状を連動させたいときは Ⓔサイズ公差の後に包絡の条件 Ⓔ を付ける。[6][27]
例φ30 の軸にサイズ公差だけを付けた場合、どの断面でも2点間の直径が公差内なら、多少曲がっていてもサイズとしては合格になる。(資料の決まりから組み立てた例)[1][12]

よくある間違い

JIS と ASMEASME Y14.5 は包絡原理(Rule #1)を既定とし、独立にしたいときに独立の記号を使う(2009年版で採用)。ISO・JIS は独立が既定で、連動させたいときに Ⓔ を付ける。[12][6][13]

規格:JIS B 0024:2019(5.5「独立の原則」、ISO 8015:2011 を修正して採用)。[28][29]

関連:包絡の条件サイズ公差(寸法公差)2点間サイズ

Ⓔ包絡の条件ほうらくのじょうけんenvelope requirement

サイズ形体が、最大実体サイズでできた完全形状の包絡面を超えてはならないとする条件。ISO・JIS ではサイズ公差の後に Ⓔ を付けて指示する。[27][6][30]

図面への書き方

  1. サイズ公差の後に Ⓔ例:φ30±0.1 Ⓔ。[6][27]
  2. 対象は1つのサイズ形体円筒面または相対する平行二平面で決まる1つのサイズ形体に使う。[27]
例軸 φ20 0/−0.1 Ⓔ:軸全体が φ20.0 の完全な円筒(ゲージの穴)に入らなければならない。軸が曲がっていれば、そのぶん直径を小さく仕上げる必要がある。(資料の決まりから組み立てた例)[27]

よくある間違い

JIS と ASMEASME は包絡を既定とし記号を付けない。ISO・JIS は必要なときだけ Ⓔ を付ける。ミツトヨ米国は「ISO で相手部品とのはまり具合を規制したいときは Ⓔ を使う」としている。[6][12][13]

規格:JIS B 0021 の付加記号表で参照先は JIS B 0024。サイズの指定は JIS B 0420-1(ISO 14405-1 を基に作成)。[31][9]

関連:独立の原則最大実体状態・最大実体サイズサイズ形体

2点間サイズにてんかんさいずtwo-point size / local size

形体の向かい合う2点の間の距離として求めるサイズ。ISO・JIS では、特に指示がなければ長さに関わるサイズ公差はこの2点間サイズで判定する。[9][12][13][1]

図面への書き方

  1. 別の求め方は指定する最小二乗サイズ・最大内接サイズ・最小外接サイズなど、ほかの求め方で判定させたいときは JIS B 0420-1 の方法で明示する。[9]

よくある間違い

JIS と ASMEASME Y14.5 のサイズ公差は、相手部品とのはまり具合(actual mating size)と局部サイズの両方を規制する。ISO は特に指示がなければ2点サイズだけ。[13]

規格:JIS B 0420-1:2016(ISO 14405-1:2010 を基に作成)。[9]

関連:独立の原則サイズ形体

サイズ形体さいずけいたいfeature of size

円筒・球・相対する平行二平面のように、直径や幅といったサイズで定義される形体。サイズが変わると形体の大きさも変わる。[27][9]

図面への書き方

  1. 指示線の当て方で対象が変わる寸法線の延長に公差記入枠の矢を当てると中心線や中心面(誘導形体)、寸法線からずらして表面に当てると表面(外殻形体)が対象になる。[27][33][34]
JIS と ASMEASME では feature of size に Rule #1(包絡原理)が適用される。[12]

規格:JIS B 0420-1:2016 の適用範囲(円筒と相対する平行二平面)。[9]

関連:包絡の条件外殻形体・誘導形体

公差の累積こうさのるいせきtolerance stack-up / tolerance accumulation

寸法を次々につないで位置を決めると、それぞれの公差が足し合わされ、離れた形体どうしの位置のばらつきが大きくなること。[35][3]

20±0.125±0.135±0.1両端の間は最大 ±0.3 ばらつく公差の累積直列だと各寸法の公差が足し合わされる
公差の累積:±0.1 の寸法を3つつなぐと、両端の間は最大 ±0.3 ばらつく。大事な距離は基準から直接寸法を入れる。

図面への書き方

  1. 累積を避ける寸法の入れ方機能上重要な距離は、共通の基準から直接入れる(並列寸法)か、TED と位置度で指示する。[35][36][5]
例キーエンスの例では、穴の位置をサイズ公差でつないで決めると穴の間の距離は最大 45.3 mm、TED と位置度で決めると最大 45.1 mm になる。[35]

よくある間違い

規格:寸法の配置は JIS Z 8317-1:2008 の 8(並列・累進・直列・座標・複合)。[37]

関連:直列寸法記入法理論的に正確な寸法(TED)位置度

テーラーの原理てーらーのげんりTaylor's principle

最大実体側は形体全体を一度に検査する通り側ゲージで、最小実体側は要素を個別に検査する止り側ゲージで検査すべきとする考え方。ねじのはめあいの検査から始まった。[19][12]資料1件・参考

規格:この原理だけを定めた JIS は本調査では確認できず。

関連:包絡の条件最大実体状態・最大実体サイズ

製品の幾何特性仕様(GPS)せいひんのきかとくせいしようgeometrical product specifications / GPS

形・大きさ・位置などの要求を図面であいまいさなく指示し、検証のしかたまで体系的にそろえるための ISO の規格群(ISO/TC 213)。JIS もサイズ公差・幾何公差・表面性状の規格を GPS として整えている。[19][28][1]

規格:基本原則は JIS B 0024:2019(ISO 8015:2011 を修正して採用)。[28][29]

関連:独立の原則幾何公差

📚出典

印のない説明は、別々の発行元の資料 2 つ以上で一致したものです。規格の本文は有料のため、測定機・部品メーカーの技術資料、大学・公設試の教材、規格の公開ページで確かめ、説明はケズリバの言葉で書いています。記入枠の図はケズリバが描いたものです。

  1. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:幾何公差とは(サイズ公差との違い・独立の原則・2016年の用語変更)」
  2. ミスミ「ミスミ技術情報:寸法公差(はめあい設計-3)」
  3. WisTech Open(米ウィスコンシン州テクニカルカレッジ・システム)「Blueprint Reading Ch.8 Tolerance on Dimensions」
  4. ミスミ「ミスミ技術情報:位置決め精度と位置決めピン形状(はめあいの記述方式)」
  5. 東京工業大学 工学部(現・東京科学大学)「M3 機械製図 ~機械製図の「これだけは」~(SS2 授業資料)」
  6. ミツトヨ(栃木県産業技術センター掲載)「幾何公差の基本(Document No. BSE-M3UGD26185、2026年、71枚)」
  7. ミスミ「ミスミ技術情報:公差設計と幾何公差(公差設計2)」
  8. 日本産業標準調査会(JISC)JIS 検索「JIS B 0401-1/-2 GPS-長さに関わるサイズ公差のISOコード方式」
  9. 日本規格協会(JSA)「JIS B 0420-1:2016 寸法の公差表示方式-長さに関わるサイズ(プレビュー:目次・適用範囲)」
  10. 日本産業標準調査会(JISC)JIS 検索「JIS Z 8318 製品の技術文書情報(TPD)-長さ寸法及び角度寸法の許容限界の指示方法」
  11. ISO「ISO 286-1:2010 ISO code system for tolerances on linear sizes — Part 1」
  12. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:国際工業規格と幾何公差(ISO と ASME の対比)」
  13. Mitutoyo America(Mitutoyo Institute of Metrology)「GD&T and the new ASME Y14.5-2018(J. Salsbury、2019)」
  14. 九州大学理学部附属工場(分子科学研究所 技術研究会 報告集掲載)「馬場敦「工作依頼時における製図に関する基礎知識の重要性と誤認防止のための提言」(2024)」
  15. ミスミ「ミスミ技術情報:はめあいの種類と記号(はめあい設計-4)」
  16. ミスミ「ミスミ技術情報:はめあい方式の選択(JIS B 0401-1:2016 より抜粋)」
  17. ミスミ「ミスミ技術情報:はめあい選択の基礎」
  18. ミスミ「ミスミ技術情報:個々に公差の指示がない寸法に対する公差(JIS B 0405 ほか抜粋)」
  19. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:幾何公差用語集」
  20. 島根大学(総合理工学部 機械設計製図)「機械設計製図 第1回 授業資料(図枠・表題欄・第三角法・正面図の選び方)」
  21. 日本産業標準調査会(JISC)JIS 検索「JIS B 0405 普通公差-第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差」
  22. ISO「ISO 2768-1:1989 General tolerances — Part 1: linear and angular dimensions」
  23. WisTech Open(米ウィスコンシン州テクニカルカレッジ・システム)「Blueprint Reading Ch.7 Title Blocks」
  24. ミスミ「ミスミ技術情報:個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差(JIS B 0419:1991 より抜粋)」
  25. 日本産業標準調査会(JISC)JIS 検索「JIS B 0419 普通公差-第2部:個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差」
  26. ISO「ISO 2768-2:1989 General tolerances — Part 2: geometrical tolerances(廃止)」
  27. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:包絡の条件」
  28. 日本規格協会(JSA)「JIS B 0024:2019 GPS-基本原則(プレビュー:目次・序文)」
  29. ISO「ISO 8015:2011 GPS — Fundamentals — Concepts, principles and rules」
  30. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:幾何公差記号・付加記号一覧」
  31. ミスミ「ミスミ技術情報:幾何公差表示方式(JIS B 0021:1998 より抜粋)」
  32. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:真円度の測定」
  33. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:データム(datum)とは」
  34. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:形状公差(形状偏差)」
  35. キーエンス「ゼロからわかる幾何公差:幾何公差図面と記号について(特性の分類・TED・公差域)」
  36. WisTech Open(米ウィスコンシン州テクニカルカレッジ・システム)「Blueprint Reading Ch.5 Dimensioning Systems」
  37. 日本規格協会(JSA)「JIS Z 8317-1:2008 寸法及び公差の記入方法(プレビュー:目次・序文)」