歯車の勉強:しくみ・用語・作り方から、工具メーカーへの発注まで(初級〜上級)
初級から上級まで、この1本で歯車の地図が描けるよ!


歯車は「歯の形」「大きさの決め方」「作り方」「測り方」がすべてつながっています。この記事は、まったく初めての人から、工具メーカーに歯切り工具を発注する設計者・生産技術・購買の人までを 1 本で案内します。図の歯形は、工具の動きを計算して描いた本物の形です。最後に、自動車のステアリングのピニオンとウォームシャフトを例に、工具の見積を頼むときに何を伝え、どんな図面を渡せばよいかを具体的にまとめました。
この記事の読み方
| コース | こんな人に | 読むところ |
|---|---|---|
| 初級 | 歯車の名前と形を知りたい、はじめて図面の要目表を見た | 歴史・歯車の仕事・インボリュート・種類・用語 |
| 中級 | 歯車を設計・加工・検査する | 転位とアンダカット・はすば歯車・測り方と精度・作り方 |
| 上級 | 研削仕上げの歯車や工具の手配を担当する | こぶ付き(プロチュバランス)・歯面修整・面取り・工具の発注・ピニオンの例・ウォームの例 |
計算は歯車のページにまとめています:平歯車・はすば歯車・またぎ歯厚・オーバーピン、モジュールの表、加工法、歯切り工具。
初級歯車の歴史:木の歯から研削の歯まで
- 紀元前 4 世紀歯車が文献に出てくる最初の例として、アリストテレスの『機械の問題』が挙げられます。いつ誰が発明したかは分かっていません[68]
- 紀元前 2〜1 世紀ごろアンティキティラの機械:沈没船から見つかった青銅の歯車装置。太陽と月の位置や日食・月食の周期を歯車で計算したと考えられています(年代の推定は資料で少し違います)[69][70]
- 16 世紀歯車はまだ手作り。歯溝の形のカッタで 1 つずつ削っていました。手回しの歯切り機械の例も残っています[71]
- 1551〜1612 年日本に機械時計が伝わる。季節で一時の長さが変わる不定時法に合わせた和時計が生まれます[78]
- 1754〜1767 年オイラーが歯車の歯形を数学で論じる(インボリュート歯形を最初に示したとされる)[72][73]
- 1796 年『機巧図彙(からくりずい)』刊行。和時計と茶運び人形の作り方を図面つきでまとめた本。のちの茶運び人形の調査では、木の歯車の形が今のインボリュートとほぼ同じだったと報告されています[79][80]
- 1825 年エアリーが歯形の一般論を発表。インボリュートなら中心距離を変えてもかみ合いが保たれることを示します[73][74]
- 1835 年英国のホイットワースの特許に、ホブで歯車を切るしくみが描かれる[71][75]
- 1838・1841 年ウィリスが歯形を描く器具と設計法を発表し、著書でインボリュート歯形を勧める[74]
- 1851 年田中久重の万年時計(万年自鳴鐘)。重要文化財[81]
- 1889 年米国のグラントが平歯車用のホブ盤の特許を取る(知られている最初のホブ盤の特許)[71][75]
- 1896〜1897 年米国のフェローズがギヤシェーパを実用化。内歯車を実用的な速さで切れる唯一の機械でした[76][75]
- 1897 年ドイツのプファウターが、平歯車とはすば歯車の両方を切れるホブ盤の特許を取る[71][77]
- 1913 年スイスの Maag 創業。ラック形カッタで歯を切る歯切り盤と、皿形砥石の歯車研削盤で知られる[59][58]
- 1945 年スイスのライスハウアーが、ねじ状砥石で連続して研削する連続創成歯車研削盤を出す[62]
- 1990 年Maag の歯車加工機の最後の 1 台が納入され、製造が終わる[58][60]
- 1998〜1999 年歯車の JIS が ISO にそろえて作り直される(精度 JIS B 1702-1、標準基準ラック JIS B 1701-1 など。「基準ピッチ円直径」は「基準円直径」に)[82][83]
- 2000 年代〜自動車の変速機の歯車は、浸炭焼入れのあと連続創成研削で仕上げるのが主流に[21][24]
初級歯車の仕事は「回転の速さ・力・向き」を変えること
歯車は、かみ合った歯で回転を伝える部品です。2 つの歯車の歯数の比で、すべてが決まります。
| 変えるもの | 決まり方 | 例:歯数 12 → 36 |
|---|---|---|
| 回転の速さ | 出口の回転数 = 入口の回転数 × z₁ / z₂ | 1,200 min⁻¹ → 400 min⁻¹(1/3 に減速) |
| 回す力(トルク) | 出口のトルク = 入口のトルク × z₂ / z₁ × 効率 | 10 N·m → 約 30 N·m(3 倍) |
| 回転の向き | 外歯車どうしは逆向き、内歯車とは同じ向き | 右回り → 左回り |
| 軸の向き | かさ歯車・ウォームギヤで 90° 曲げる | — |
速さと力は交換減速すると力が大きくなり、増速すると力は小さくなります。歯車はエネルギーを増やす装置ではなく、「速さ」と「力」の配分を変える装置です(実際は歯面の摩擦などで少し減ります)。
初級なぜ歯の形は「インボリュート」なのか
歯の形が適当だと、かみ合っている途中で回転が速くなったり遅くなったりして、振動と音が出ます。回転をいつも一定の速さで伝えるには、歯の形に条件があり、それを満たす代表がインボリュート曲線です[10][11]。
- 力の向きが変わらない:かみ合う点は「作用線」という 1 本の直線の上だけを動き、歯を押す力の向きもこの線の向きのまま。軸受への荷重が安定します
- 中心距離のずれに強い:2 つの歯車の中心距離が組立誤差や熱で少しずれても、速度比は歯数比のまま変わりません(変わるのはバックラッシとかみ合い圧力角)[11]
- まっすぐな刃の工具で作れる:インボリュートの歯車の歯数を無限に増やすと、歯面が直線の「ラック」になります。だから直線の刃をもつ工具(ホブ・ラックカッタ)1 本で、歯数の違う歯車をすべて正確に作れます。工具が作りやすく、測りやすいのが、インボリュートが世界中で使われる最大の理由です
時計などでは、歯元を厚くできるサイクロイド歯形も使われます。ただし中心距離がずれると正しくかみ合わなくなるので、動力を伝える機械ではほとんどがインボリュートです[11]。
初級歯車の種類の地図
| 軸 | 種類 | よく使う所 | 主な作り方 |
|---|---|---|---|
| 平行 | 平歯車 | 減速機・工作機械・ポンプ | ホブ切り・歯車形削り |
| はすば歯車 | 自動車の変速機・ステアリングのピニオン(静か・強い) | ホブ切り → 研削・シェービング | |
| 内歯車 | 遊星歯車機構(自動変速機・ロボットの減速機) | 歯車形削り・スカイビング・ブローチ | |
| ラック | ステアリング・直線送り | ブローチ・フライス・ラック形削り | |
| 交わる | すぐばかさ歯車 | 差動装置・手工具 | 歯車形削り・鍛造 |
| まがりばかさ歯車 | 自動車の後輪の差動・工作機械の主軸 | 専用の歯切り盤・研削・ラッピング | |
| 食い違う | ウォームギヤ | 大きな減速比を 1 段で(電動パワーステアリングの減速機・昇降機) | ウォーム:ねじ切り・研削・ワーリング ホイール:ホブ切り・樹脂は成形も |
| ねじ歯車 | 軽い荷重の直角の伝動 | ホブ切り | |
| ハイポイド歯車 | 自動車の後輪の差動(軸をずらして床を低く) | 専用の歯切り盤・ラッピング・研削 |
初級まず覚える用語
| 用語 | ひとことで | 式・目安 |
|---|---|---|
| モジュール m | 歯の大きさ。大きいほど歯が大きく強い。JIS の標準値から選ぶ(表) | m = 基準円直径 ÷ 歯数 |
| 歯数 z | 歯の数。かみ合う 2 つの比が速度比 | — |
| 圧力角 α | 歯を押す力の傾き。いまは 20° が標準。大きいと歯元が太く強いが、軸受への力が増える | 20°(14.5°・25° もある) |
| 基準円(ピッチ円)d | 歯車の大きさの基準になる円。かみ合う 2 つの基準円が転がり合う | d = m·z |
| 基礎円 db | インボリュートの「糸を巻いた円」。歯面はこの円より外側だけ | db = d·cos α |
| 歯先円 da・歯底円 df | 歯のいちばん外と、歯溝のいちばん底 | da = d + 2m、df = d − 2.5m(標準) |
| ピッチ p | 隣の歯までの、基準円の上の距離。かみ合う歯車どうしで同じ | p = πm |
| 歯厚 s | 基準円の上での歯の厚さ。ここを削って減らすとバックラッシになる | s = πm/2(標準) |
| 頂げき c | 相手の歯先と歯底のすき間。油の逃げ・干渉よけ | c = 0.25m(標準) |
| バックラッシ | かみ合う歯面の遊び。ゼロだと熱膨張や誤差で詰まり、大きすぎると打音 | 歯厚を減らして作る |
| 中心距離 a | 2 つの歯車の軸の距離 | a = m(z₁ + z₂)/2(転位なし) |
| かみ合い率 | 同時にかみ合っている歯の組の平均。1 より大きいことが必須、大きいほど静か | 平歯車で 1.4〜1.8 程度 |
転位・かみ合い率・TIF・研削段差など、歯車の用語 45 語を英語・中国語つきで用語集の「歯車」にまとめています。
海外の図面では、モジュールの代わりにダイヤメトラルピッチ DP(基準円直径 1 インチあたりの歯数)を使うことがあります。m = 25.4 ÷ DP です(換算表)。
中級転位とアンダカット:歯数の少ない歯車の工夫
ラック形の工具で歯数の少ない歯車を切ると、工具の歯先が歯元を余計に削り取り、歯元がえぐれます。これがアンダカットで、歯元が細くなって折れやすく、かみ合える範囲も減ります。圧力角 20° の標準の歯では、歯数がおよそ 17 未満で起きます(理論値。実用上は 14 程度まで許すことが多い)[10]。
そこで、工具を歯車の中心から少し遠ざけて切ります。これが転位で、遠ざけた量をモジュールで割った値が転位係数 x です。正の転位で歯元は太くなり、アンダカットが減りますが、やりすぎると歯先がとがります。
アンダカットしない最小歯数 zmin = 2(1 − x) / sin²α
この図は、ブラウザの中でラック工具を少しずつ動かして歯形を計算しています。工具の歯先の丸み 0.38m・歯元のたけ 1.25m の標準の工具の場合です。実際の工具の形(歯先の丸み・歯たけ)が違えば、えぐれ方も変わります。
転位には、中心距離を決まった値に合わせる・歯の強さを 2 つの歯車でそろえる・すべりを減らす、という使い方もあります。かみ合う 2 つの転位係数の和から中心距離が決まります(平歯車の計算)。
中級はすば歯車:「歯直角」と「軸直角」を取り違えない
歯すじを斜めにしたはすば歯車は、歯が少しずつかみ合い始めるので静かで強く、自動車の変速機やステアリングのピニオンの主役です。代わりに軸方向の力(スラスト)が出ます。
| 見る面 | モジュール | 圧力角 | 使う場面 |
|---|---|---|---|
| 歯直角(歯すじに直角) | mn | αn | 工具はこちらで決まる(ホブはラックが斜めに当たる) |
| 軸直角(軸に直角) | mt = mn / cos β | tan αt = tan αn / cos β | 基準円直径 d = mt·z を出すとき |
- ねじれ角 β:基準円の上での歯すじの傾き。ねじれ方向(右・左)は、軸を立てて見たとき歯すじが右上がりなら右ねじれ
- 平行な軸でかみ合う外歯車どうしは、ねじれ角が同じで方向が逆
- はすば歯車では、歯数が少なくても軸直角の圧力角が大きくなるので、平歯車よりアンダカットしにくくなります
見積・発注でいちばん多い取り違え「モジュール 2」と書いてあっても、歯直角か軸直角かで工具はまったく別物になります。はすば歯車の諸元は、歯直角か軸直角かを必ず書き添えてください(はすば歯車の計算で両方を出せます)。
中級歯の厚さと精度の測り方
歯厚はノギスでは正確に測れません。現場では次の 2 つの「間接的な寸法」で歯厚を管理します。
| 方法 | 測るもの | 道具 |
|---|---|---|
| またぎ歯厚 W | 何枚かの歯をまたいで、両側の歯面の間 | 歯厚マイクロメータ(円板形の測定面) |
| オーバーピン(ボール)寸法 M | 向かい合う歯溝に入れたピン(玉)の外側 | ピン・玉+マイクロメータ |
精度は、1 つの歯の形(歯形誤差)、歯すじの向き(歯すじ誤差)、歯の並びの間隔(ピッチ誤差・累積ピッチ誤差)、歯溝の偏り(歯溝の振れ)で表し、それぞれの許容値で精度等級が決まります(精度等級・誤差の項目)。歯車試験機は、歯形と歯すじを曲線のチャートで記録します。工具の発注でも、このチャートでの合否の判定のしかたを最初に決めておくと、受け入れでもめません。
中級歯車の作り方:削る → 焼く → 仕上げる
| 加工 | しくみ | 工具 |
|---|---|---|
| ホブ切り | ねじ状の工具と歯車を、かみ合う速さで回しながら送る。外歯車の量産の主役 | ホブ |
| 歯車形削り | 歯車の形の工具を上下させながら転がす。段付き・内歯車にも | ピニオンカッタ |
| スカイビング | 軸を傾けた工具を高速で同期回転。内歯車を速く | スカイビングカッタ |
| ブローチ | 長い工具を 1 回通して全部の歯を一度に。内歯車・スプライン・ラック | ブローチ |
| 転造 | ダイスで押し付けて歯を盛り上げる(削らない) | 転造ダイス・ラック |
| シェービング | 焼入れ前に歯面を薄く削いで整える | シェービングカッタ |
| 歯車研削 | 焼入れ後、砥石で歯面を仕上げる。ねじ状砥石の連続創成と、成形砥石の 1 歯ずつがある | 砥石・ドレッサ |
| ホーニング | 内歯車形の砥石で焼入れ後の歯面を整え、音を下げる | ホーニング砥石 |
強さが要る歯車は、やわらかいうちに歯を切り(ソフト加工)、浸炭焼入れなどで表面を硬くしてから、熱処理でゆがんだ分を研削やホーニングで取ります(ハード加工)。研削で取る分(研削代)を、歯切りのときに残しておくのがポイントで、そこで次の「こぶ付き」が出てきます。
上級プロチュバランス(こぶ付き)とは
ひとことでこぶ付き(プロチュバランス付き)とは、前加工用のホブやピニオンカッタの歯先の角に小さな「こぶ」を付け、歯車の歯元にわざと浅い逃げを彫っておく工具の形です。あとで研削・シェービング・ホーニングするとき、仕上げ工具の先端が歯元に当たらず、仕上げ面の終わりに段差が残りません[7][15][19]。
なぜ段差がいけないのか
研削砥石は、相手の歯車が実際に当たる歯面(有効歯面)だけを削り、歯底までは入りません。こぶ無しで前加工した歯車を研削すると、砥石が歯面から抜けた所に、研削代とほぼ同じ深さの研削段差(グラインディングノッチ)が残ります。歯元はいちばん曲げ応力が高い場所なので、段差は応力集中になり、歯の曲げ強さの評価が下がります。段差が歯元の丸みの低い位置にあるほど影響が大きく、研削代を増やすと段差も深くなります[16][20]。
シェービングでも同じで、シェービングカッタの歯先が前加工のすみ肉に当たるとカッタが早く摩耗し、歯形も崩れます。こぶの逃げがあれば、仕上げた歯面と削らない歯元がなめらかにつながります[7][18][19]。
こぶの大きさの決め方
こぶの量 pr = 仕上げ代 q + 仕上げ後に残る逃げ u
- 仕上げ代 q(片側・歯面に垂直)より、こぶは必ず大きくする。差の u が「仕上げたあとも歯元に残る逃げ」になる[15][17][19]
- ある工具メーカーの実績形では、圧力角 20°・こぶの角度 10°・工具の歯末のたけ 1.4m・歯先の丸み 0.4m で、q ≈ 0.09 + 0.0125m、pr ≈ 0.129 + 0.029m[mm](m7 以下)。モジュール 3 なら q ≈ 0.13 mm、pr ≈ 0.22 mm、残る逃げ u ≈ 0.09 mm です[15]
- 別の工具メーカーは、シェービング代の目安を歯厚で m2.25 以下 0.05〜0.08 mm、m2.25〜3.5 で 0.06〜0.10 mm などとしています[7]
- 逃げの上端(歯元形状円 dFf)は、相手の歯先が当たるいちばん下の円(dNf=SAP・TIF)より下に置く。こぶを大きくしすぎると dFf が上がってかみ合う範囲に食い込み、歯元も細くなる[15][19]
- 熱処理のひずみと、研削盤での芯出し(左右の歯面の取り代をそろえる)の誤差の分だけ、余裕を見ておく[15]
- 歯数がとても少ない歯車では、創成で自然にできるアンダカットで足り、こぶ無しの工具を使うこともある[17][19]
| 工具の歯形記号 | 意味 |
|---|---|
| P・PP・PS・PSP | シェービング前(プリシェービング)用。P=歯を薄く歯末を高く、2 文字目以降の S=セミトッピング(歯先の面取り)、最後の P=こぶ付き |
| PG・PGP・PGS・PGSP | 研削前(プリグラインディング)用。PGP=こぶ付き、PGSP=こぶとセミトッピング付き |
| S-TOP | 仕上げ用のセミトッピング歯形 |
記号は工具メーカーの技術資料(JIS B 4350 による)から[7]。こぶ付きの基準形は規格で 1 つに決まっておらず、用途ごとに設計されます[15]。
こぶ付きなら、どのメーカーの歯車研削盤を使う?
答え:こぶ付きだから特定のメーカーの研削盤が要る、ということはありません。調べた範囲で、研削盤メーカーが前加工の工具を指定している資料は見つかりませんでした。工具メーカーは、こぶの量を仕上げの方式・研削代・熱処理ひずみ・相手歯車から工具側で決めるとし、研削盤の側は砥石の歯先の高さと丸み(ドレス)と、研削代の振り分け(位相合わせ)で合わせます[7][15][16][20]。逆に言えば、研削盤と砥石が決まったら、その情報(砥石がどこまで入るか)を工具メーカーに渡すのが正しい順番です。
自動車の変速機の歯車の量産では、ねじ状の砥石を歯車とかみ合わせて回す連続創成研削が主流で、研削する場合はシェービングを省きます[24][28][21]。量産機は、焼入れでずれた歯溝の位置をセンサで測り、左右の歯面を均等に削る位置に合わせてから研削します[23][24][29]。
| メーカー(国) | 連続創成研削(ねじ状砥石)の例 | そのほか |
|---|---|---|
| Reishauer(スイス) | RZ 160 4.0(φ160・m0.5〜4、自動車の変速機用)、RZ 260 4.0、小径砥石の RZ 160 KWS[25][26] | 自社の連続創成研削を自動車歯車の業界標準と説明[24] |
| KAPP NILES(ドイツ) | KX 100 DYNAMIC(φ125・m0.5〜4.5、自動車向け)、KX 260 DYNAMIC[28] | 成形研削の KNG・ZE・ZP(大径・大モジュール)[27] |
| Liebherr(ドイツ) | LGG 180・LGG 280(創成・成形の両方)[29] | ドレス不要の CBN 電着砥石も |
| Gleason(アメリカ) | Genesis 200GX・260GX[30] | 成形研削盤・ホーニング盤も |
| ニデックマシンツール(日本) | ZE16C・ZE26C(量産向け)、ZE40A、後継の ZFA160・ZFA260[31][32] | 内歯車の研削盤 ZI20A も |
| EMAG SU(イタリア) | G 160・G 250・G 400[33] | 成形研削 G 375 H など |
| 秦川机床(中国) | YKZ7230・YKZ7236・YKS7225A[34] | — |
機種名・範囲は各社の公式ページ・技術資料で確かめたもの(2026 年 10 月)。成形研削(ディスク砥石で 1 溝ずつ)は遅いぶん、大径・少量・大モジュールの歯車に向きます[24][27]。ステアリングのピニオンのように径が小さく軸の段が近い歯車は、砥石がぶつかって焼入れ後の研削が難しく、焼入れ後に超硬ホブで仕上げる例もあります[21]。小径の砥石を使う研削盤も出ています[26]。
「こぶ付きは Maag(マーグ)の機械で」と聞いたことがある人へ
スイスの Maag は 1913 年にチューリッヒで生まれた歯車の会社で、ラック形のカッタで歯を切る歯切り盤と、2 枚の皿形の砥石の間で歯車を転がして研削する歯車研削盤(いわゆる Maag 式。0° 式・15°/20° 式)で知られました[59][58][61]。Maag の歯切り盤用カッタには荒・仕上げと並んで研削前用(プレグラインディング)があり、ラック形カッタでこぶ(プロチュバランス)などの歯形修整も付けられました[58]。そのため、こぶ付きのカッタで前加工 → Maag の研削盤で研削という組み合わせは、大きな歯車や高精度の歯車でかつての定番の一つでした。歯元の強さの古い研究の試験歯車も、Maag の乾式研削で作られています[16]。
ただし、Maag の歯車加工機の製造は 1989〜1990 年に終わっていて(最後の歯切り盤の納入は 1990 年)、新しい機械はありません[58][60]。今も動いている Maag 研削盤は、専門の会社が制御を入れ替えて使い続けています[61]。Maag の乾式研削は今では古い方式とされています[16]。つまり、こぶ付き = Maag の機械が必要、ではありません。今の量産では、こぶ付きのホブで前加工し、上の表のようなメーカーの連続創成研削盤で仕上げるのがふつうです。手持ちの Maag 研削盤で仕上げる場合も、決め方は同じで、砥石がどこまで入るか(研削の届く深さ)を工具メーカーに伝えて、こぶの量を決めてもらいます。
Maag 式とライスハウアー式をくらべる
歯車研削の歴史は、スイスの 2 社の方式でたどると分かりやすくなります。どちらもチューリッヒの会社で、Maag は皿形の砥石、Reishauer(ライスハウアー)はねじ状の砥石で歯車を研削しました。
| Maag 式 | ライスハウアー式 | |
|---|---|---|
| 会社 | 1913 年にチューリッヒで創業した歯車の会社[59][58] | 1788 年のチューリッヒの工具鍛冶が始まり。1928 年にねじ研削盤を自社で作った[62] |
| 砥石 | 皿形の砥石 2 枚 | ねじ状の砥石 1 本(ホブと同じ形) |
| しくみ | 0° 式:2 枚の砥石に歯車を転がして当て、インボリュートを創成しながら 2 つの歯面を同時に研削。15°/20° 式:2 枚の砥石が基準ラックの左右の歯面になり、送りの往復ごとに次の歯へ割り出す[61] | ねじ状の砥石と歯車をかみ合う速さで同期回転させ、全部の歯を連続で研削する(1945 年の ZA から。今も「ライスハウアー法」と呼ばれる)[62][24] |
| 砥石と段取り | 砥石がピッチ(モジュール)によらず使え、工具費が安い[61] | モジュール・圧力角ごとにねじ状砥石をダイヤモンドロールでドレスして使う[24] |
| 得意な仕事 | 高精度の少量品:シェービングカッタ、ドレスギヤ、マスターギヤ、試作・試験用の歯車など[61] | 自動車の変速機などの量産。ワーク主軸を 2 本もつ量産機が主力[24][25] |
| 歩み | 歯車加工機の製造は 1989〜1990 年に終了。今は既存機を改修して使う[58][60][61] | 1977 年に砥石と歯車の同期を電子化、1986 年に砥石をずらしながら削るシフト研削、2009 年に量産向けの RZ x60、2021 年に小径砥石の RZ 160 KWS、2025 年には内歯車のハードスカイビング機も[62] |
こぶ付きとの関係はどちらも同じ研削盤の方式が違っても、「前加工のこぶの逃げの中で砥石の切れ刃が抜けるようにする」という考え方は同じです。工具メーカーに伝えるのは、研削盤の方式と、砥石がどの直径まで入るか(研削の届く深さ)、研削代です[15][16]。
歯元まで全部研削すれば、こぶは要らない?歯元の丸みまで研削する方法もありますが、研削は引張りの残留応力を残すのでショットピーニングと研削焼けの検査が要り、費用も高く、航空機などの限られた歯車向けです。正しく作れば、研削しない歯元でも曲げ疲れ強さはほぼ同じとされています[22]。
上級歯面修整:わざと少しだけ形を崩す
荷重がかかると、歯はたわみ、軸もたわみます。理論どおりのインボリュートのままだと、かみ合い始めに歯先どうしがぶつかったり、歯の端だけが強く当たったりします。そこで、仕上がりの形をミクロン単位でわざと崩します。
| 修整 | どこを | ねらい |
|---|---|---|
| 歯先修整(チップリリーフ) | 歯先の近くの歯形を少し削り落とす | かみ合い始めの衝撃を和らげ、音と振動を下げる |
| クラウニング | 歯すじ方向に中央をわずかにふくらませる | 軸のたわみや組立誤差で歯の端だけが当たる「片当たり」を防ぐ |
| 歯すじの傾き修整 | 歯すじの角度をわずかに変える | 荷重がかかったときの軸の傾きを打ち消す |
修整は、歯車試験機のチャートで「狙いの形からのずれ」として確かめます。研削で仕上げる歯車は研削盤の側で修整を入れることが多く、ホブ仕上げの歯車ではホブの歯形に修整を入れておきます。どちらの場合も、修整の量と範囲(どの直径から始めるか)を製品図に書き、TIF・SAP と一緒に工具メーカー・研削の担当に伝えることが大切です。
上級歯車の面取り:ワーク側と工具側
歯切りしたままの歯車は、端面と歯面の角が鋭く、バリも残ります。鋭い角やバリは浸炭焼入れでもろくなって負荷で欠け、変速機を傷めます。硬くなったバリはホーニングなど後工程の工具寿命も縮めます。端面を基準や把握に使うならバリは許されず、手で扱うときのけがの防止にもなります[63][64]。
ワーク側:どこを、どんな形に面取りするか
| 面取り | どこ | 作り方・注意 |
|---|---|---|
| 歯先の面取り | 歯形の先端(歯先)の角 | セミトッピング付きのホブで歯切りと同時に付ける(歯形記号の S)。面取りの分だけ素材の外径を理論の外径より大きくしておかないと、使える歯面が減る。面取りの大きさは歯数で変わる[17][15][7] |
| 歯すじの端の面取り | 端面と歯面の角(歯幅の両端) | 歯切りのあとに別の工具で付ける。平歯車は両側、はすば歯車は鋭角側だけか両側[7] |
- 端面の面取りの形はテーパ形・平行形(歯面だけ)・平行形(歯底も)の 3 つが基本です[7][67]。押し付けで作る面取りの角度はおおむね 20〜30°[63]
- 端面が傾いた歯車も面取りできますが、15° を超えると計算での確認が要ります[7][67]
- 製品図には、面取りの形・量(幅と角度)・部位と、歯面側に出る二次バリの許容を書きます
工具側:どうやって面取りするか
| 方法 | しくみ | 向く歯車 |
|---|---|---|
| 押し付け(転造)面取り フレージングカッタ | ワークとかみ合う歯車形の工具で端面の角を押しつぶす。端面側に盛り上がった材料は、一緒に付けたバリ取りカッタで同時に取る[7][65][66] | モジュール 5 くらいまでの小さめの歯車。とても速く、サイクルタイム 10 秒以下の遊星ピニオンにも。歯底の下に逃げの無い軸付き歯車にも向く[64][63] |
| 切削の面取り | 専用の面取り工具がワークの端面でホブのような創成運動をする、面取りホブ、フライカッタ、エンドミル[65][63][64] | モジュール 5 を超える歯車。フライカッタは歯底の下に逃げが要る[63][64] |
| 歯先の面取り | セミトッピング付きのホブ・ピニオンカッタで歯切りと同時に[7][15] | 研削・シェービングの前加工で歯先の面取りが要る歯車(こぶ付きと組み合わせて PGSP・PSP) |
押し付け面取りの「二次バリ」押しつぶした材料の一部は歯面側にも流れ、ふくらみ(二次バリ)になります。後工程がシェービングや連続創成研削なら問題になりにくいのですが、ホーニングだと工具寿命に響きます。対策は、半周がバニシング(押しならし)部になった工具で二次バリを押し込むか、ホブ切りを 2 回に分けて間に面取りを入れ、2 回目のホブで取る方法です[63][64]。面取りの装置はホブ盤・シェービング盤・スカイビング盤に組み込むこともできます[66][64]。
面取り工具を頼むときは、歯車の諸元(歯切り後の歯厚、TIF)、面取りの形と部位、ショルダの有無と端面の傾き、相手歯車、工具の歯数・材質・取付けの形を伝えます(くわしくは面取り工具のガイド)。
上級工具メーカーへの発注:伝えること・渡すもの
工具メーカーは、歯車の諸元と、どう仕上げるか、どの機械で削るかが分かれば工具を設計できます。逆に、どれか 1 つでも抜けたり取り違えたりすると、届いた工具で正しい歯車が切れません。工具メーカーの問い合わせ・注文書は、大きく「ワーク(歯車)」「工具」「機械」の 3 つの欄に分かれています[35][36][7]。
- 製品図と要目表をそろえる:要目表は JIS B 0003(歯車製図)で書き方が決まっていて、歯形・モジュール・圧力角・歯数・転位係数・基準円直径・歯厚(またぎ歯厚やオーバーピン寸法)・精度・相手歯車などを書きます[39][37][38]
- 要目表に無いことを書き足す:TIF(有効な歯形がどの直径から始まるか)、仕上げ代、歯先の面取り、熱処理の順番、機械のデータ。ここが抜けやすい[35][7]
- 見積依頼:下の表の項目を依頼書にまとめ、資料一式を渡す
- 工具図(承認図)を確かめる:工具メーカーが計算した工具の形・寸法を、歯車の諸元・機械と突き合わせる
- 製作・納品・トライ加工:最初の歯車を歯車試験機で測り、決めておいた合否の基準で受け入れる
| 欄 | 伝えること | 抜けたときに起きること |
|---|---|---|
| ワーク(歯車) | モジュール・圧力角(歯直角か軸直角か)、歯数、ねじれ角と方向、転位係数、歯先円・歯底円の直径、歯幅、材料と硬さ、図面番号 | 工具の基準の形が決まらない |
| 歯厚:またぎ歯数とまたぎ歯厚、または玉(ピン)径と玉間寸法。「仕上がり」と「歯切り後」の 2 段で | 前加工の工具は歯切り後の寸法で作るので、仕上がりだけでは作れない[35][7] | |
| 有効歯先円径・有効歯元円径(TIF)と相手歯車の諸元・中心距離 | 歯形を保証する範囲が決まらず、こぶの逃げがかみ合う範囲に入ることも[35][7] | |
| 仕上げ代(片側)、こぶの有無と量、歯先の面取り | 研削段差・面取り不足 | |
| 熱処理の種類と順番、精度等級、歯形・歯すじの修整 | 熱処理ひずみの見込み・工具の材種・合否の基準がずれる | |
| 工具 | 工具の種類(ホブ・ピニオンカッタ・スカイビングカッタ・シェービングカッタ・ブローチ…)、荒か仕上げか、条数と方向、精度等級(AA・A など)、材種とコーティング、本数 | 能率・精度・寿命が狙いと違う |
| 外径・全長・穴径・キー溝(決まっていなければ機械から決めてもらう) | 機械に載らない・段に当たる | |
| 機械 | 機種、最大工具径・最大工具長、最大シフト量、旋回角、ウェット/ドライ | シフトで刃を使い切れない・寿命が短い[35][40][41] |
| 年間の個数、目標寿命、許される送りマーク(ホブの送りで歯面に残る凹凸) | 条数・材種・送りが決められない[35] |
渡す資料のセット
- 製品図(要目表つき):工具はワークの図面番号と諸元から設計される[7][35]
- 前加工の寸法と仕上げ代:歯切り後の歯厚、片側の取り代
- 相手歯車の諸元と中心距離(TIF が図面に無ければ、これから計算してもらう)
- 工程表:歯切り → 熱処理 → 仕上げの順番と方法(研削・シェービング・ホーニング・焼入れ後のホブ仕上げ)
- 機械の仕様:機種・工具の最大径と長さ・シフト量・旋回角・アーバ(工具の穴径)
- 検査の決め方:歯厚の測り方(玉径・またぎ歯数)、精度等級、修整の狙いと許容
- 数量と寿命の目標:年間の個数、サイクルタイム
歯車設計ソフトの中には、歯車と工具のデータをまとめた「工具の見積依頼」のレポートを出せるものもあります[56]。図面は社外秘のことが多いので、渡す前に社内の手続き(秘密保持の取り決めなど)を確かめてください。
上級例 1:ステアリングのピニオンを切るホブの見積依頼
乗用車のステアリングは、ラック&ピニオン式が主流です[2]。ピニオンは歯数が少なく、ねじれ角の大きいはすば歯車で、ラック(丸棒に歯を切ったもの)とかみ合います。車への載せ方の都合で、ピニオンとラックの軸は直角ではなく交差角をもち、ラックはばねでピニオンに押し付けられて、軽い荷重では両側の歯面でかみ合います[1]。
ピニオンの作り方(公開資料で分かる範囲)
- 歯切りはホブ切りが多い:ホブは刃が並んだ断続的な切削なので、歯面には送りに合わせた小さな凹凸(多角形誤差)が必ず残り、ステアリングの「しゅう動音」の原因になります。送りを下げれば減りますが能率が落ちるため、ホブの軌跡などを見直して 7.5 µm から 4.8 µm に減らした研究があります[42]
- 熱処理は 2 通りの例:非調質鋼を削ってから高周波焼入れする例[44]と、浸炭する例[45]が特許に出てきます
- 仕上げ:径が小さく軸の段が近いので研削砥石がぶつかりやすく、熱処理後に超硬ホブで仕上げる例があります[21][42]。小径の砥石で研削する方法もあります[26]
ここでは、技報に載っている「ステアリングを模した諸元」[1]を例に、ホブ切り → 熱処理 → 研削の工程で使う前加工用ホブ(こぶ付き)の見積依頼書を作ってみます。研削代・材料・機械などは、この記事で例として置いた値です。
小さな謎解き:技報の諸元表には「モジュール 2」としか書かれていません。でも基準円直径 19.861 mm は 9 × 2 ÷ cos 25° と一致するので、歯直角モジュールだと分かります(軸直角なら 9 × 2 = 18 mm のはず)。依頼書では、こうした読み取りを相手にさせないよう、必ず「歯直角」と書きます[1]。
| 項目 | 記入例 | なぜ要るか |
|---|---|---|
| ワーク(製品図の要目表から) | ||
| 図面番号・部品名 | (自社の図番)ピニオンシャフト | 図面と依頼内容を突き合わせる |
| 歯形・基準 | インボリュート、歯直角方式 | 工具の基準ラックが決まる |
| モジュール・圧力角 | mn = 2、αn = 20°(どちらも歯直角) | 歯直角か軸直角かで工具が別物 |
| 歯数 | 9 | アンダカット・干渉の確認 |
| ねじれ角・方向 | 25° 左 | ホブのねじれ方向と取付け角が決まる |
| 転位係数 | +0.3(歯直角) | 書き忘れると歯の形が合わない |
| 基準円直径 | 19.861 mm | 諸元の検算用(mn·z / cos β) |
| 歯先円直径・歯底円直径 | 24.261 mm・16.861 mm(歯末 2.2・歯元 1.5 mm) | 標準と違う歯たけ。工具の歯たけ・切込み深さを合わせる |
| 歯厚(仕上がり) | またぎ歯数 2、またぎ歯厚 9.600 mm(理論値。公差は図面どおり) | 仕上がりの基準 |
| 歯厚(歯切り後) | またぎ歯厚 9.760 mm(=仕上がり + 2 × 研削代 0.08) | 前加工用ホブはこの寸法で作る |
| オーバーボール寸法(参考) | 玉径 4.058 mm で 26.833 mm(仕上がりの理論値) | 歯厚の別の測り方。玉径も一緒に書く |
| 有効歯先円径・有効歯元円径(TIF) | 製品図の値(無ければ相手ラックとのかみ合いから計算を依頼) | こぶの逃げがかみ合う範囲に食い込まないように |
| 相手 | ラック(ねじれ角 5° 右)、交差角 20°、中心間距離 17.530 mm | かみ合う範囲の計算 |
| 歯幅・軸の形 | 歯部の長さ、両側の段の直径と歯からの距離 | ホブの外径とのぶつかり・切り上げの長さ |
| 材料・硬さ・熱処理 | 例:浸炭用の低合金鋼、歯切り時の硬さ。歯切り → 浸炭焼入れ → 歯車研削 | 工具の材種、熱処理ひずみの見込み |
| 精度・修整 | 仕上がりの精度等級、歯形・歯すじの修整(研削で付ける) | トライの合否の基準 |
| 仕上げとこぶ | ||
| 研削代 | 片側 0.08 mm(歯面に垂直)(例) | ホブの歯厚とこぶの大きさが決まる |
| こぶ(プロチュバランス) | 要(研削後に段差が残らないこと)。歯形記号でいえば PGP | 研削段差を防ぐ |
| 歯先の面取り | 要・不要と量(要なら PGSP) | 熱処理の前に歯先の角を落とすか |
| 端面の面取り | 形(平行形など)・量・部位と、どの工程で付けるか(例:歯切り後に押し付け面取り) | 面取りで歯面側に出るふくらみの見込み。ホブを 2 回に分けるかどうか |
| 機械と数量 | ||
| ホブ盤 | 機種、最大ホブ径×長さ、最大シフト量、旋回角、アーバ径(=ホブの穴径) | 載るか・シフトで刃を使い切れるか |
| 切削油 | ウェット/ドライ | 材種・コーティング |
| 数量・寿命 | 年間の個数、1 再研削あたりの目標個数 | 条数・材種・本数 |
| 送りマーク | 許される歯面の凹凸の大きさ | しゅう動音に効く。条数と送りを決める |
| ホブの希望(任せるなら「お任せ」) | ||
| 条数・ねじれ方向 | 1 条または 2 条、左ねじれ(歯車と同じ向き) | 能率と精度。同じ向きだと取付け角が小さい |
| 精度等級・材種・コーティング | 例:A 級、粉末ハイス、再コーティング可 | 前加工用は A 級が多い |
| 外径・全長・穴径・キー溝 | 機械と段とのぶつかりから決めてもらう | アーバ・段の干渉 |
表の歯厚とオーバーボール寸法は、またぎ歯厚・オーバーピンの計算と同じ式で出した「バックラッシを付けない理論値」です。実際は図面の歯厚の公差(歯厚を減らす量)を入れます。またぎ歯厚は歯面に垂直に測るので、歯面に垂直な研削代 q を両側に足すと歯切り後の値になります。
歯数 9 のピニオンはアンダカットに注意この例のように歯数が少ない歯車では、転位と歯たけでアンダカットを避けています。工具の歯先の丸み・こぶを決めると歯元の形が変わるので、工具メーカーに歯元の形(トロコイド)とアンダカット・TIF の確認図を出してもらうと安心です。転位とアンダカットの図で、歯数と転位係数を動かして形を見てみてください。
上級例 2:電動パワーステアリングのウォームシャフトとウォームホイール
コラム式・ピニオン式の電動パワーステアリング(EPS)は、モータの回転を鋼のウォームと樹脂のウォームホイールで減速します。樹脂を使うのは、悪路での歯打ち音を下げて操舵の感触をよくするためです[4][5]。ウォームはばねでホイールに押し付けられ、バックラッシがいつもゼロになる構造があります[4][3]。
まず「ウォームの歯形の種類」を決める
ウォームは「ねじ」に見えますが、どの断面で歯形が直線になるかで5 種類あり、作る工具も違います。種類は ISO/TR 10828・DIN 3975・AGMA 6022 で扱われ、JIS でも B 1723(円筒ウォームギヤの寸法)に歯形の節があります[50][51][52]。
| 記号 | どこで直線か | 主な作り方 |
|---|---|---|
| ZA | 軸を含む断面(軸平面)で直線 | 直線刃のバイトで旋削。フライス・研削も |
| ZN | 進み角だけ傾けた断面(歯直角に近い面)で直線 | 円すいのフライス・砥石、傾けたバイト |
| ZI | インボリュートのねじ面(はすば歯車と同じ形) | 平らな面の砥石で研削、ホブ |
| ZK | 円すい形の工具を進み角に傾けて作る形(軸平面では少しふくらむ) | 円すいのフライス・砥石。工具の径で形が変わる |
| ZC | 凸の円弧の工具で作る、へこんだ歯形 | 円弧形のフライス・砥石 |
ZK・ZC は「工具の形」もウォームの定義の一部工具の径と刃形で歯形が決まるので、図面と依頼書に工具(砥石)の外径と刃形も書きます。規格の例題でも、砥石の外径と刃形の半径が諸元として並んでいます[50][51]。
ウォームシャフトの削り方と工具
| 加工 | しくみ | 工具 |
|---|---|---|
| スレッドワーリング | リング状のカッタの内側に並べた刃を高速で回し、ゆっくり回るワークの周りを進み角に傾けて削る。速く、研削を省けるという報告が多い。ドライ加工が多い[47][46] | ワーリングリング+専用の刃(インサート) |
| ウォームミリング | 回転するフライスでねじ溝を削る。ZA・ZN・ZK の形[51][55] | ウォームフライス |
| 研削 | 焼入れ後に砥石で仕上げる。ZK・ZI の形。砥石の外径と刃形の半径が歯形を決める[51][50] | ねじ研削砥石・ドレッサ |
| 転造 | ダイスで押して盛り上げる。精密転造盤でねじ・スプライン・ウォームを数秒で、という機械メーカーの案内がある[57] | 転造ダイス |
電動パワーステアリング用のウォームについては、ワーリング盤のメーカーが「モジュール 0.8〜3、旋回角 42° までをドライで削り、後工程なしで歯車の精度に入る」としています(機械メーカーの主張)[48][13]。ワーリングの工具を頼むときは、手持ちの機械とスピンドルを伝えてカッタの本体を決め、ワークの図面を送ると、工具メーカーが図面から進み角と刃の形を計算して専用の刃を作ります。多条のウォームを 1 回で削るときは、機械の制約があるので事前に相談します[46]。
| 項目 | 書くこと | なぜ要るか |
|---|---|---|
| ウォームの図面 | 外径・歯底径・ピッチ(リード)・条数・ねじれ方向・ねじ部の長さと不完全ねじ部 | 切削円の径・進み角・刃の形を工具メーカーが計算する元[46][47] |
| 歯形の種類 | ZA/ZN/ZI/ZK/ZC。ZK・ZC なら工具の径と刃形も | 種類で工具の刃形と傾け方が変わる |
| モジュール・圧力角の基準 | 軸方向モジュールか歯直角モジュールか、圧力角はどの断面か | JIS のウォームは軸方向モジュールで寸法を決め、ホブ側は歯直角で表すことが多い[52][49] |
| 歯厚 | 軸方向の歯厚、またはオーバーワイヤ(玉)寸法と線(玉)径 | 仕上がりの基準 |
| 材料・熱処理 | ウォーム部だけ高周波焼入れするか、焼入れ前・後のどちらで削るか | 工具の材種と、研削を残すか |
| 機械 | 機種・スピンドル・旋回角の範囲 | カッタ本体の選定と、進み角が機械で取れるか |
| 精度・面粗さ・クーラント | 要求の精度と表面粗さ、ドライ/ウェット | 研削を残すか省くかの判断 |
| 相手ホイール | 歯数・材料(樹脂)・中心距離 | かみ合いの確認 |
相手のウォームホイールを切るホブ
- ホブはウォームと同じ形が原則:同じねじれ方向・同じ圧力角・同じ歯たけ。外径は「ウォームの歯先円 + 頂げき」[49][17]
- 同じ径のホブが作れないことがある:EPS の樹脂ホイールはモジュールが小さく、ウォームと同じ外径のホブを作るのが難しいので、少し大きいホブで切ると、歯面の当たりのすき間(クラウニング)が大きくなりすぎて面圧が上がる、という課題が特許に書かれています。この特許は、ホイールの歯を射出成形で作って避けています[6]
- わざと少し大きく作る考え方もある:ホブを少し大きくして当たりを歯幅の中央に寄せる方法が紹介されている一方、再研削で外径が縮むと当たり方が変わり、大きく作っても効果は限られるとする研究もあります[49][53][54]
- 取付け角:ホブの取付け角 β は「ホイールの進み角 γc − ホブの進み角 γa」が原則で、ホブの径が変われば変わります。EPS の減速機では、この角度を最適化して出力トルクの変動を 30% 下げた例があります[3]
| 項目 | 書くこと | なぜ要るか |
|---|---|---|
| 相手ウォームの諸元 | 条数・ねじれ方向・リード(軸方向ピッチ)・圧力角・歯たけ・歯形の種類・外径 | ホブはウォームと同じ形が原則[49][17] |
| ホイール | 歯数・材料(鋼・青銅・樹脂)・のど径とその丸み・中心距離 | 歯切りのときの中心距離と、歯先の丸みまで削るか |
| ホブの外径 | ウォームと同径か、大きくするならその量と狙いの当たり位置 | 外径で当たり方が決まる[17][53] |
| 再研削 | 何回まで、外径はどこまで減ってよいか | 再研削で外径が縮み、当たり方が変わる[53][54] |
| 加工のしかた | 半径方向の送り/接線方向の送り、取付け角 | 取付け角はホブ径で変わる[3] |
| ホブ盤 | 旋回角・最大ホブ径・長さ | 大きな進み角・大径ホブが機械で取れるか[41][55] |
よくある失敗
- 転位係数・歯厚を書かない:工具の歯たけと歯厚が決まりません。工具メーカーの依頼書は、転位係数か歯厚(またぎ歯厚・オーバーピン)を必ず求めます[7][35][37]
- 歯直角と軸直角(ウォームは軸方向)を取り違える:諸元表に「モジュール」としか書いていないことは珍しくありません。ウォームは JIS で軸方向モジュール、ホブは歯直角で表すのが普通です[1][52][49]
- ねじれ方向・条数を書き漏らす:ウォームホイール用ホブはウォームとねじれ方向を必ず合わせます[49][35]
- 仕上がりの歯厚だけ書く:前加工の工具は「歯切り後」の寸法で作ります[35][7]
- 研削代・TIF を伝えない:こぶの無い工具で前加工すると研削段差ができ、曲げ強さが下がることがあります[16][7]
- 機械の制約を伝えない:最大工具径・長さ・シフト量・段とのすき間が分からないと、工具が載らない・段に当たる[35][40][41]
- 熱処理の順番を伝えない:熱処理ひずみの見込みや、熱処理後に削るなら工具の材種が変わります[7][42]
- ウォームホイール用ホブの径と再研削を決めていない:大きいホブではすき間が大きくなり、再研削で当たり方が変わります[17][53][54]
- ZK などのウォームで工具の径を書かない:工具の径で歯形が変わります[50][51]
3 つの「書き添え」で失敗の大半は防げる①どの面の値か(歯直角・軸直角・軸方向)、②どの段階の値か(歯切り後・仕上がり)、③どこからどこまでを保証するか(TIF・有効歯先円)。この 3 つを書き添えるだけで、問い合わせの往復がぐっと減ります。
よくある質問
- モジュールが同じなら、どの歯車ともかみ合いますか?
- モジュールと圧力角がどちらも同じで、はすば歯車ならねじれ角が同じ(向きは逆)であることが条件です。そのうえで中心距離が合っている必要があります。
- 工具の形(ホブの歯形)は自分で決めないといけませんか?
- いいえ。歯車の諸元・仕上げの方法・機械を正しく伝えれば、工具の形は工具メーカーが計算します。大事なのは情報の抜けと取り違えをなくすことと、工具メーカーが出してくる工具図(承認図)を確かめることです。
- こぶ付きの歯車は、決まったメーカーの研削盤でしか仕上げられませんか?
- いいえ。こぶの量は工具側で、仕上げの方式・研削代・相手歯車から決めます。研削盤と砥石が決まったら、その情報を工具メーカーに渡してください(研削盤のメーカー・Maag 式とライスハウアー式)。
出典・参考資料
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1019(2022)「ステアリング用ラック&ピニオンのかみあい解析」
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1006(2009)「ラック&ピニオンかみあいによるステアリング用ラック揺動トルクの理論推定」
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1013(2015)「電動パワーステアリング用ウォーム式減速機におけるかみあい変動解析技術の確立」
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1001「電動パワーステアリング(EPS)減速機の芯間調整機構」
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1021「快適性を向上したコラムタイプ電動パワーステアリング(C-EPS)の開発」
- 特許 JP4779267B2「電動パワーステアリング装置及びそのウォームホイールの製造方法」
- 工具メーカーのホブの技術資料(歯形の種類・プロチュバランス・条数・注文時の仕様)
- Gear Technology「From Design to Manufacturing」(研削段差とプロチュバランス工具)
- Gear Technology India「Gear Root Forms」(歯元の形・研削段差・dFf と dNf)
- 歯車メーカーの歯車技術資料(Gear Technical Reference)
- 測定機器メーカーの解説「歯車の種類」(イチから学ぶ機械要素)
- 工作機械メーカーのコラム「The Origin of Hobbing」(ホブ切りの歴史)
- 工作機械メーカーの紹介ページ「Steering Worms」(ワーリング加工機)
- 工作機械メーカーのコラム「Whirling Machine Series – Part Four」(EPS ウォームのワーリング)
- LMT Fette「Verzahnen – Werkzeuge und Wissen / Gear Cutting Tools and Knowledge」(プロチュバランスの基準形・研削代・逃げの式)
- U. Kissling・I. Zotos「The Influence of a Grinding Notch on the Gear Bending Strength Rating」Gear Technology 2018 年 11/12 月号
- National Broach & Machine「Gear Manufacturing Methods – Forming the Teeth」Gear Technology 1987 年 1/2 月号
- J. P. Dugas「Gear Shaving Basics – Part I」Gear Technology 1997 年 11/12 月号
- K. Liston「Hob Basics Part II」Gear Technology 1993 年 11/12 月号
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- 三菱重工技報 Vol.43 No.3(2006)「自動車用ミッションギヤの生産を支える歯車加工機と精密切削工具」
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- 米国特許 US5136522A「Stock dividing method and apparatus for gear manufacturing machine」
- Reishauer「Generating gear grinding」(Transmission Technology International 2018 年 9 月号)
- Reishauer「RZ 160 4.0」製品ページ
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- KAPP NILES 機種一覧(KX・KNG・ZE・ZP)
- KAPP NILES「KX DYNAMIC」製品ページ
- Liebherr「LGG 180 / 280 / 400 M」製品ページ
- Gleason「Genesis GX Series」製品ページ
- ニデックマシンツール「歯車研削盤(外歯研削)ZE シリーズ」
- ニデック ニュースリリース「歯車研削盤 ZFA シリーズの発売について」(2024-10-16)
- EMAG「Gear Grinding Machines from EMAG SU」
- 秦川机床「机床主机」(磨齿机)
- LMT Fette ホブの問い合わせ・注文書(Anfrage/Bestellformular)
- LMT Fette 歯車フライスの問い合わせ・注文書
- 島根大学「機械製図」課題 4:一対の平歯車装置の設計と製図
- 島根大学 課題 4 参考図(要目表の記入例)
- 日本規格協会 JIS B 0003:2012 歯車製図(プレビュー)
- ニデックマシンツール 切削工具の豆知識「ホブ(4)」
- ホブ盤メーカーの製品ページ(最大ホブ径×長さ・シフト量・旋回角の例)
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1019(2022)「ホブ加工歯面多角形誤差の解析」
- JTEKT ENGINEERING JOURNAL No.1008(2010)「操舵性能の物理特性モデリングと伝達系要素設計に関する考察(第2報)」
- 特許出願 JP2005299854A「ピニオンシャフト」(高周波焼入れの例)
- 米国特許 US7954395B2「Steering apparatus」(ピニオン軸の浸炭の例)
- 工具メーカーのスレッドワーリング カタログ(注文の流れ)
- Gear Solutions「The whirling process for improved worm gears」(2003)
- 工作機械メーカーの応用ページ「Solutions for EPS-Screws」(機械メーカーの主張)
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- 日本規格協会 JIS B 1723:2014 円筒ウォームギヤの寸法(プレビュー)
- 国際公開 WO1988002829A1「Worm wheel and method of hobbing same」
- M. Márton・D. Hollanda「The Deformation of the Gear Hob's Generating Surfaces Due to Re-Sharpening」Papers on Technical Science
- 工具メーカーの製品ページ「Worm milling cutters / wheel hobs」
- Gear Solutions「Request quotes for tools a new feature in latest KISSsoft update」(2020)
- 工作機械メーカーの総合カタログ(精密転造盤:ねじ・スプライン・ウォーム)
- Gear Solutions「More MAAG for your Money」(2003、Maag のラック形歯切り盤とカッタ)
- Historisches Lexikon der Schweiz「Maag, Max」
- lathes.co.uk「Maag」(歯車加工機の製造の終わり)
- Donner+Pfister「Gear Grinding Machines – MAAG Retrofit」(Maag 研削盤の改修)
- Reishauer「History」(沿革)
- G. Klein「Chamfering and Deburring – the Underrated Process」Gear Technology 2016 年 8 月号
- G. Klein「The Evolution of Gear Chamfering」Gear Technology 2018 年 9/10 月号
- ニデックマシンツール「面取工具」製品ページ
- ニデックマシンツール 切削工具トピックス「フレージングカッタの寿命」
- Liebherr「Gear tools」パンフレット(面取りの形・傾いた端面)
- 歯車メーカーの技術資料(1.1 歯車の始まり ほか、PDF)
- 国立天文台 図書室 貴重資料展示ポスター「アンティキティラの機械」
- Nature 444(2006)「アンティキティラの機械」として知られる古代ギリシャの天文学計算機の謎を解く(日本語要約)
- T. J. Maiuri「Hob Tool Life Technology Update」Gear Technology 2009 年 3/4 月号(ホブ切りの歴史)
- Euler Archive「E330 De figura dentium rotarum」
- G. B. Airy「On the Forms of the Teeth of Wheels」(1825、D. Roegel による注釈付き翻刻)
- ケンブリッジ大学工学部「Gearing Research in Cambridge 1827–2000」
- MDPI Materials(2024)「Gear Hobs—Cutting Tools and Manufacturing Technologies for Spur Gears」
- American Precision Museum「Machine of the Month: Gear Shapers」
- Gleason-Pfauter「This is our story」(沿革)
- トヨタ産業技術記念館 企画展アーカイブ「日本への時計の伝来」(PDF)
- 京都大学貴重資料デジタルアーカイブ『機巧圖彙』(寛政 8 年)
- JST サイエンスポータル「茶運び人形の木製歯車」(2006-07-19)
- 文化遺産オンライン「万年自鳴鐘〈田中久重作〉」
- 歯車メーカーの歯車技術資料「歯車記号と用語」
- 日本規格協会 JIS B 1701-1 標準基準ラック歯形(1999-01-20 制定)


